かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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4歳と鈍行二人旅(其の二 陸羽西線〜奥羽本線)

 

17日朝にあつみ温泉駅でママと別れ、私と長男は北へ。

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羽越本線酒田行き普通電車

余目駅前の庄内町新産業創造館クラッセ - 観光スポット情報 - 山形県庄内町観光情報サイト Navi庄内町で、早めの昼食を調達しました。そこにいらした地元の方が、あつみ温泉の昔の様子などについて教えてくれました。彼女が言うには、かつては新潟からガンガンバスで乗り付けてくるような人気温泉街だったそうで須賀、中越地震などで不振が続いているのだそうです。

余目で陸羽西線に乗り換え、新庄へ。

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陸羽西線新庄行き

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最上川沿いを上っていきます

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靄がかった雪原

新庄では長男の好きな新幹線・つばさと会えました。

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新庄駅は、新幹線と在来線のホームに改札の仕切りがありませんでした

私たちは奥羽本線で横手へ。焼きそばは食べそびれましたが、リアルかまくらを体験することができました。

www.yokotekamakura.com

そこから再び奥羽本線で、通勤通学客らとともに秋田に向かいました。

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秋田行き普通電車

秋田駅前に投宿。夜入った居酒屋では、なまはげショーに恐れおののく長男でありました。

横手に寄るために大回りになってしまいましたが、18日は一路北へと進んでいく予定です(そういう気分だそうです)。

 

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4歳長男と鈍行列車の旅始めました(其の一 きらきらうえつ)

冷やし中華の季節は過ぎてしまいましたが、少しお休みをいただいて、長男と2人で鈍行列車の旅をすることにしました。

www.jrhokkaido.co.jp

こちらの切符で、気儘に行ってまいります…と言っても初日の昨日は、長男の希望できらきらうえつに乗ってあつみ温泉に宿泊しましたwith細君。

trafficnews.jp

きらきらうえつは運行終了前に乗ることができました。

 

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きらきらうえつ

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車内のジオラマ。長男のお気に入りでした

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車窓から見る日本海

あつみ温泉は長男の希望でした。恐らく駅名がひらがなで、読むことができたというのが大きな要因だったと思われま須賀、お湯加減もよく、食べ物も美味しくて(「はえぬき」ウマーでした)3人でゆっくり過ごせました。

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温泉街。山形出身の友人はこの写真だけで場所を言い当てました

さて、ここからは2人旅です(細君は仕事をしに戻りました…)。

無理せずのんびり、寄り道しながら北を目指します。

 

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やっぱり歴史的背景の説明なしでは面白くならなかったですね/「西郷どん」最終回

www.nhk.or.jp

鹿児島・城山に篭った西郷隆盛は、降伏勧告を断り戦死。翌年、大久保利通も紀尾井坂で暗殺され、ともに波乱の人生の幕を閉じました。

旅先なので手短に。

最終回は、菊次郎視点だったり糸の視点だったりと、回想が多くてかなり錯綜してしまった印象です。主役・準主役が非業の死を遂げる話なんだから、普通にやればいいんじゃないのかと思ってしまいました。

一年を通して感じたのは、やはり歴史モノのドラマはある程度歴史的背景を説明しないと感情移入しにくいということでした。若き精忠組は何を目指していたのか、当時の志士たちは何に突き動かされていたのか、そういった背景をちゃんと説明しないと、どうしても薄っぺらになってしまうんですよね。

今出典を探して見つけられなかったので須賀、原作者の林真理子が確か瑛太との対談でこんな発言をしていました。「主役は西郷隆盛だから、島流しに遭っている時の政治情勢は描かなくてもいい」。恐らくそういう認識がストーリーの端々に出てきてしまっていたのだと思います。

全部見たので言い切っていいと思います。主演をはじめとする俳優陣の演技は見ていて楽しかったです。ただ筋書きが薄っぺらで、物語としては期待外れでした。同じ題材なら「翔ぶが如く」に時間を使いたかったです。

 

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【ふと思い出し】去年iPhoneバッテリー交換された方、キャッシュバック手続きは年内に!

今朝、新聞でITプラットフォーマー規制の記事を読んでいて思い出したこと。

去年(2017年)iPhoneのバッテリーを有償で交換された方は、年内に手続きをすれば5600円のキャッシュバックを受けられるかもしれません。

support.apple.com

この件です。

www.google.co.jp

こちらの記事にあった「古いiPhoneでパフォーマンスが低下する問題」は話題になりましたが、その対策として上記のようなキャッシュバックの措置がとられています。

私もPokémon GO*1のやりすぎでバッテリーが相当へばってきてしまい、高いなと思いつつも正規店でバッテリーを交換したのをよく覚えています。

Appleの上記ページにも書いてある通り、確か手続きに私のところにもAppleから自分がキャッシュバックの対象であると知らせるメールが6月に来ていたので須賀、10月末まで手続きをしそびれていました。

なぜか。それは、そのメールを受け取った後、何をすればいいのかちょっとよくわからなかったからです。

メールには「リクエストを開始するには、2018年12月31日までに、Appleにご連絡いただきますようお願いいたします」と書かれていて、「ご連絡」という箇所を押せばAppleのページに飛べるようになっていたので須賀、その先どう進んでいけばリクエストしたことになるのか分からず、途方にくれてそのタイミングでの手続きを諦めてしまったんですよね。

そのことを数ヶ月後にふと思い出し、とりあえず電話で相談しようとオペレーター通話のコーナーを探し出してボタンをタップ。確か修理だか不具合だかという名目でのオペレーター通話だったので、そもそもその窓口でバッテリーのキャッシュバックの話を受け付けてくれるのかかなり不安だったので須賀、電話口のオペレーターさんが手際よく担当窓口に電話を回してくれて、その先はスムーズに手続きをすることができました。

ちなみに。この話を書くにあたり、「あの時はなぜAppleサイト内で迷子になってしまったんっだろう」と思って6月に来たメールからもう一度辿ってみたので須賀、今日時点ではメールの遷移先にすぐ「アドバイザーと話をする」が出てきましたので、問題なく手続きできると思います。もはや証拠も何もありませんが、少なくとも私が手続きした10月末時点では違うページに飛んでいた記憶があります。そうでなければ通話するのにあんなに苦労しなかったはずなので…(もし万一記憶違いでしたらごめんなさい)。

こういう消費者向けの手続きを平明にしていくことは、身近なサービス・製品であればあるほど重要ですよね。そうした点も世界的なプラットフォーマー規制論の論点の一つになっているようで、そんな内容を含む新聞記事を読んで、この話を思い出したのでした。

いずれにせよ、該当の方は年末までに電話手続きを!

 

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*1:しかも当時は起動していないと歩数が稼げなかった

関ヶ原での戦法を踏襲した西郷小兵衛/「西郷どん」第四十六話

www.nhk.or.jp

西郷軍は鹿児島を進発し熊本にさしかかりま須賀、物量に勝る政府軍に対し田原坂の戦いなどで敗戦を重ねます。西郷隆盛の末弟・小兵衛は戦死し、長男の菊次郎も足を負傷。隆盛は、延岡で軍の解散を宣言します。

小兵衛があのように、菊次郎の盾となるように死んでいったのかについては情報を持っていませんが、あれは古来から薩摩武士に伝わる「捨て奸」戦法を意識したものと思われます。これは簡単に言うと、大将を逃がすために家臣たちがどんどん捨て石になっていくという撤退戦法で、関ヶ原合戦では徳川家康の陣を突破して離脱した島津義弘を逃がすために、家老の長寿院盛淳らが「捨て奸」となり戦死しています。小兵衛が敢えて、自らの素性を名乗って敵に向かっていったのは、そうした意味合いが強いのでしょう。

あともちろん、糸が延岡近辺の西郷軍の本営にまで来たというのは史実ではないでしょうが、糸のあのセリフは考証の磯田道史氏の実感がこもっていたのではないかと想像します。

canarykanariiya.hatenadiary.jp

この本で彼は、良くも悪くも西郷隆盛のような規格外の人間を家族に持った者たちの苦労を何度も慨嘆しています。それを糸が代弁したのかなと想像しました。

最後に一点、もうちょっと描き込んで欲しかったのは大山綱良のシーンでした。彼は言わば、(旧主君である)島津久光と(実質的な政府の首班である)大久保利通、そして(抜群の人望で不平士族を率いる)西郷隆盛という三者の板挟み状態になっていたはずで、その辺の微妙な立ち位置とその結末が描かれれば、幼馴染からスタートした彼らのストーリーに一つきれいな形でけりがつけられたのではないのかなと思いました。

あのシーンで大久保が言った「おいが政府じゃ」は印象的でしたが、ちょっと本人がそんなことをいう人物だったかはともかく、あと一年ほどは実質的にその言葉通りに事態が推移します。

 

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どちらかというと写真集として/『巨人の箱庭』(荒巻正行)

 

巨人の箱庭 平壌ワンダーランド

巨人の箱庭 平壌ワンダーランド

 

 平壌でのフィールドワーク経験豊富な著者が、北朝鮮の三代の指導者による都市設計を「巨人による箱庭づくり」になぞらえ、平壌という都市を論じた本です。

著者によれば、スターリンの支持を背景に権力を得ていった金日成は、スターリン的な新古典主義。映画などの芸術に触れた金正日は、ブラジリアの都市計画を経由してロシア構成主義。そして金正恩は「科学技術による宇宙未来都市」的な建築・都市設計を志向したそうです。

そうした議論を北朝鮮国家の歴史と絡めて展開しつつ、平壌の建築物やアート、著者がロックプロジェクトで接した少女たちの写真を多く収録しています。

canarykanariiya.hatenadiary.jp

私が平壌を訪ねたのは2005年10月でしたので、それ以降の平壌の風景*1の写真が豊富で非常に興味深かったです。

一方で、政治的背景などの記述を中心に、通説的な北朝鮮政治史研究の成果にそぐわないものも散見されました。一例で須賀、冷戦の終焉により北朝鮮が核開発の権利と国連加盟を得た、の如き表現は、これらは後ろ盾を失った北朝鮮の窮余の策という側面が強いものですので、結果そう見えても、政治学的分析上はバランスを欠いていると思います。

そんなことを考えながらページをめくっていると、最後に「平壌は(著者が生まれ育った)大阪万博の頃の千里ニュータウンによく似ている」という指摘がありました。平壌という都市のありようを、北朝鮮の歴史を通じて解説し切れているかどうかについては議論の分かれるところかもしれませんが、平壌と当時の千里ニュータウンの両方を見てきた人が、その実感を語るという意味では貴重だと思いました。

 

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*1:「未来科学者通り」に象徴される正恩時代の平壌

西郷隆盛「キリスト」論/「西郷どん」第四十五話

www.nhk.or.jp

多くの士族が集まる私学校の動向を警戒した大久保利通川路利良らは、薩摩に密偵を送り込みます。しかしその企みは露見し、「(西郷隆盛を)シサツセヨ」との指示まで見つかったことから、桐野利秋ら私学校党が暴発。西郷は彼らと共に挙兵し、東京を目指すことになったのでした。

 

まあコテコテなシーンの連続ではありましたが、追い詰められていく薩摩士族たちの状況をよく描けていたと思います。大久保を中心とする明治政府は、倒幕に貢献した彼ら士族に、新たな役割(居場所)を与えてあげることが十分にできませんでした。西郷の私学校もそれに対する答えの一つだったはずで須賀、武力蜂起という最悪の結末を迎えることになりました。

それは士族たちからすれば、「自分たちを使い捨てにした裏切り」と見えても仕方なかったでしょう。ただそれは、大久保一人の罪でも、西郷一人の失敗でもなかったはずです。あえて言うなら、明治政府を作り出した明治維新という革命の暗部でした。西郷は結果として、歴史の中でその問題にけりをつける役割を担うことになりました。

ものすごくエグい言葉なので須賀、「裁兵」という言い方があります。その意味するところの一つは、不要になった兵力をわざと消耗してなくす、ということなのだそうです。権力者にとって、強大な兵力は自らの政治的目的を果たすための貴重な資源である一方、それが達成されたあとは、自らに歯向かってくるかもしれない極めて危険なものに化します。

そのような事態を防ぐため、権力者は時に、わざと兵力を消耗することによって「武装解除」を行った歴史があるといいます。ものごとの原因は一つではありえませんが、豊臣秀吉朝鮮出兵を行った理由もそこにある、と言われることがあります(朝鮮半島の人たちにとって、これほど迷惑な話もないでしょうが…)。その点で言えば、少なくとも結果として西郷隆盛は、自らと共に当時最強とみなされた兵力の「裁兵」を成し遂げてしまったのです。

 

身分制の下の武士を「使い捨て」にした明治維新の罪。結果的に、とまでしか言う自信がありませんが、その罪を背負って鹿児島を発ち、士族たちと共に滅んでいった西郷は、近代日本にとってゴルゴダの丘を上がるイエス・キリストを知っているのかキミは!聖徳太子を知らないかなんてそんな失礼な(ryのような役割を果たした、と言えるかもしれません*1

この考えは最終回のレビューで書くつもりだったので須賀、主演の鈴木亮平さんがこう書いているのを見つけてしまったので、もうこの場で開陳してしまいます。後出しでこんな事を言うのも恥ずかしいで須賀、私も本当に、同じ理解の仕方をしていました。

もしかすると新時代のために徳川幕府をなくしたように、象徴として祭り上げられた自分が彼らと共に死ぬことで、日本がよりよくなるのではないか。ここで犠牲になることが国のため、民のためではないか。……僕としては、そんな思いで「天命」を聞いていました。

  

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*1:念の為言うと私はクリスチャンでも西郷信者でもなく、可能な限り価値判断を度外視したたとえ話をしているつもりです