皆さんは北朝鮮、と聞いて何を想像しますか? 金正日、拉致、核開発、食糧不足、マスゲーム、国営放送のキャスター… 他にも色々あるでしょうが、概して「危険な国」「おかしな国」あたりのイメージに集約されるんだと思います。そんな「危ない国」にツアーで行ってきたよ、というお話。
【目次】
※写真はこちらから※
前夜まで―経緯とか準備とか
動機と経緯
まず北朝鮮に行くってんならその理由ですよね。簡単に挙げると①ネタ的に面白そうだったから、②テレビなどが描く北朝鮮像が胡散臭かったから、③今を逃すともう行けない気がしたから、④北朝鮮の市民や旅行客へのプロパガンダに興味があったから、あたりです。私結構昔から北朝鮮北朝鮮と騒いでいて、飲み会とかで友人を誘ったりしていたんで須賀、本気でそれに応じてくれる人が現れたのでこの機会に行く運びになりました。ホントは同じ旅行会社の9月半ばのツアーに行く予定だったんですけど、それが催行人数不足で中止になったんですね。で10月頭のこの時期のツアーに参加したわけです。ちなみに一時期キャンセル待ちでかなり焦りました、、、
旅行代金はツアー本体の費用にビザ取得費用などを含めて18万ちょいでした。持参金は2万5千円*1。
初日の飛行機―成田から順安へ
成田との永久の別れ
8時に起床しました。で身支度をして駅へ。10時に途中駅で友人と落ち合って、11時過ぎに成田空港に着きました。で集合場所に行ってみると…無機質にツアー名がかかれた白い紙が貼られていました。他のツアーは結構カラーだったりするのに… しかも「朝鮮」とか(ry 客層もなんか微妙だぞ!?
いったん集合してから空港で買ったポーチに貴重品を詰め替え(さすがに恥ずかしかったのでw)、出国手続きをしました。税関のゲートをくぐってから飛行機に乗るまで少し時間があったので売店に行くことに。そこでイタズラを思いつきましたw 事前に聞いた話によると、北朝鮮に出版物を持ち込むのには大きな制限があるらしいんですね。北朝鮮批判があるものはもちろんのこと、宗教関係の本、ポルノ系の本、水着グラビアを含む本、そして週刊誌は持ち込むことができないらしい。そこで、です。私たちは空港の売店でヤングマガジン(表紙グラビア)と週刊ポスト(表紙は普通)を一冊ずつ買って持ち込んで、ボーダーラインはどこなのか実験することにしました。今考えてみれば結構危ないですよね、没収で済まなかったら…(没収or預かりとは聞いてはいたんで須賀) そんなことには気もつかず、私たちは買った雑誌をかばんに入れたのでした…
中国も初めて
そうこうしているうちに出発の時間になりました。乗り込んだ飛行機は中国南方航空・瀋陽行き。客室乗務員や機内アナウンスが中国語だったのに少し感動しました。って言っても中国語全く稚内んで須賀。機内食はチキンライスでした。ビールも飲みました。水の容器がプリンの容器みたいだったのが印象的でしたね。
ちなみに機内の衛生袋に中国北方航空って書いてあったのがちょっと受けました、2002年に南方航空と北方航空が合併したからなんでしょうが…
瀋陽に着いて入国手続きをしたらすぐ出国手続きです。トランジットは初めてだったんですけどめんどくさいですね、、、 焼酎のせいで税関で止められました*7が何か。でも一番びびったのは、セキュリティチェック中にかばんのゴムの部分がプチッと切れたことですね、不吉杉。
ついに北朝鮮へ!
瀋陽から平壌までは北朝鮮の高麗航空です。まず飛行機までバスで移動したんで須賀、どうしてこのバスは運転スペースに職員が6人もいるんだろうか… それはいいとして、乗り込みましたよ。定員80人前後の、ロシア製の飛行機でした。乗り込むと朝鮮の歌らしいBGMが。あれは感慨深かったですwww 労働新聞*8も配られたし。
そして離陸。機内では入国書類にことのほか悪戦苦闘していました。んでしばらくすると飲み物を持った客室乗務員が現れて…
客室乗務員「〜?」(なんと言ったか理解不能)
私「めっちゅ、ちゅせよ*9」
客室乗務員「いぇ〜」
私「(ry」
通じた〜〜〜〜〜v
さて、飛行機は一時間ほど飛んで順安空港(平壌)に着きました。着陸後の滑走が異様に長く感じられたのは気のせいなのかどうか*10??
あこがれの平壌初上陸
順安空港は検査が甘い!?
そして遂に!北朝鮮の新党大地に降り立ったわけです。時刻は午後7時半*11とあって、既に日は暮れていました。そんな暗闇の中前方に目を移すと、「PYONG YANG」の文字と金日成の肖像画がライトアップされて浮かび上がっていたのです。金日成キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!! ちなみに飛行機を降りてもすぐにはターミナル行きのバスに乗らず、そこでターミナルを撮影するのが慣行なんだとか。
ターミナルでは、軍服を着たたくさんのおじさんたちがお出迎えをしてくれました。見たところ比較的年配の方が多かったですね、軍人としての第一線を退いた人たちなのでしょうか。それにしてもあの帽子重そうだなぁ… 入国審査では何語というより吠え声に近いような言葉を発されて威嚇はされたものの無事にパスすることができました。「お前ちょっと待て」「あ、行っていいよ」。もちろんそんな言葉のやり取りはありません。でも私はかなりの自信を持ってそう受け取りましたし、あちらもそれと整合する動きをはじめていました。身振り手振りでコミュニケーション、なんて話はよく聞きま須賀、声帯を震わせながらもノンヴァーバルなコミュニケーション、を取ったのは初めてでしたね。厳密に言えばもちろんそれだけで「会話」していたわけではないんでしょうが。おっと脱線w
その後は、待ちに待った荷物検査です。きっと荷物を片っ端から開けさせられて、かばんの中の週刊ポストは発見されるのだろう、そしておそらくは没(ry そんな期待と不安の混合物を胸に秘めて荷物検査所に向かいました、しかし…
荷物を機械に通すだけじゃん。
30人強のツアーだったこともあってか、他の空港の税関とほとんど変わらないチェックでした。なあんだ。ちなみに聞いた話によると、入国書類の申告書に書かなければ荷物を開けるほどのチェックはないのだそうです。ただ一つ普通の空港と違ったのは、入国でボディーチェックがあったことです。その時は荷物検査が大甘だったことが意外で大して気にもならなかったんで須賀、こうして振り返ってみれば気になりますよね。普通は飛行機に乗る時ですから。しかもゲートをくぐってランプがつくつかないとか以前に、全員にボディーチェックというのも普通じゃないと思いました。なんかこの段落で普通普通って言いすぎですけど、そもそも普通って何なんでしょうか? もしかしたら普通じゃないのは自分と自分を取り巻く環境の方なんじゃないか… ま〜たいつもの脱線が始まった、と言われればそうなのかもしれません。ただこの視点は、世界で一番「普通じゃない」と言われる国・北朝鮮を考える際には失ってはいけないもののような気がします。自分にとって何が普通なのか、北朝鮮の市民(いっしょくたにはしてはいけないんでしょうが)にとって何が普通なのか。それをこうやって振り返りながら考えていければと思っています。
さてさて、こうして私も友人も週刊ポストもヤングマガジンも無事に審査を抜け(藁)、空港の外に出ることができました。すると真っ暗、、、 すぐさま日本でよく言われる、「北朝鮮は電力事情が厳しくて停電が多い」という話を思い出しましたが、よくよく見ると照明設備自体が少ない風でした。星はきれいでしたよ、って高原の避暑地じゃないんだからそういうもののために来たわけじゃないだろwww
北朝鮮初食事は薄味のすき焼き
そこからバスに乗り込むと、一路食堂へ。予定されていた簡単な観光は延期とあいなりました。バスの中では北朝鮮ガイドの中年男性(ここではAさんとしようと思います)が、朝鮮半島の地図を示して朝鮮の地理と歴史について説明しています。私はその話を聞きつつ、初めて生で見る北朝鮮を車窓から凝視していました。まず車がかなり少ないですね。あと信号が少ないうえに機能していません*12、、、 交通量があまり多くない交差点では目視と警笛で、比較的多い市街地の交差点では交通整理の女性の手信号で、交通整理が行なわれていました。逆に自転車に乗った人や歩行者は比較的多かったです、車道にもw
街並み(半分くらい林だったけど)を観察をしているうちに、食堂に着きました。北朝鮮初料理は「チョンゴル」という鍋料理です。あえて日本料理に例えるならすき焼きと言ったところでしょうか*13。量はなかなか多かったです。出発前日本では、「北朝鮮の料理は量が少ない」と聞いていたのでカロリーメイトを持ってきたんで須賀、その必要はなかったのかもしれないと思いました。ただ結構味が薄いですね〜 あ、もちろん朝鮮ビール*14は飲みましたよwww
あと食堂で他のツアー客と話をしていて判明したことなんで須賀、北朝鮮ツアーにはリピーターやいわゆる「北朝鮮マニア」と呼ばれるような人々が少なからず参加しているようです。中には20回近く訪朝している人もいるとか…もうぬるぽ。「おかしな国・北朝鮮」に対する興味というか好奇心、という少なからず私も持っているものが彼らを突き動かしているのでしょうか。そんな気がしま須賀、あいにく旅行中にその類の人と話す機会があまりなかったので断定的な言葉は控えさせてください、、、
宿泊ホテルに到着―北朝鮮の「帝国ホテル」
意外ときれいなホテル探検記
夕食を終えてホテルに向かいました。今回泊まったのは「高麗ホテル」。日本の帝国ホテルクラスだそうです。泊まったことないって!! でも部屋が結構立派だったのは分かりますよwww
部屋で荷物を片付けたら、もちろんビアホールに直行しましたwww 日本の中ジョッキよりもやや大きめの黒生が一杯1.5ユーロ*15。いいですね〜 ただつまみがほとんど品切れってどういうことですか?www
―会話再現(実際は朝鮮語です)―
私「これ下さい」
店員「ごめんなさい、ないです」
私「うーん、これ」
店員「ごめんなさい」
私「(ry 何があるんですか?」←www
店員「カシューナッツ」
私「カシューナッツで」
その次に行ったのはお土産物屋さん。レジのお姉さんが超美人で…宇和なにをするくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」 食料品のコーナーで北朝鮮名物(?)の缶詰がたくさん並んでいたのには少し感動しました、買わないけど。
そして最後は本屋さん。なんか面白そうな本ばかりで見入ってしまいました。そこでの一幕(これも朝鮮語)
私「(『金日成略伝』と書かれた本を指差して)これは日本語ですか?」
店員「そうですよ」
私「いくらですか」
店員「700円です」
私「?」
店員「700円」
私「(ry」
店員「(電卓で700と打って私に見せながら)(・∀・)ニヤニヤ」
700、というのは朝鮮語で칠백(ちるぺっ)と言うんで須賀、それが分からなかったんですね*16 orz 少しとはいえお酒が入っていたから…といういいわけなぞ通用しない完璧な敗北でしたwww もうぬるp(ry
*1:現地では円が使えます、って言うか外国人が行くところでは人民ウォン使えないらしいです
*2:彼女がくれたクッション状のぬいぐるみです
*3:彼女と写ってるやつです。北に貼ってこようとw
*4:もちろん西瓜ではない
*5:食事が少ないと聞いていたので
*6:シャンプーが粗悪品という話があったのでとりあえず
*7:5合<1.5㍑なのでセーフなんで須賀
*10:心理的要因もあったと思われま須賀実際に滑走路が長いらしいです
*11:日本と北朝鮮は時差はありません。ちなみに瀋陽は一時間遅れですね
*12:何日目かまでは信号はないものと思っていました
*13:卵を溶いて鍋に入れる点は違うんですけどね
*14:その名の通り朝鮮のビールです。アルコール度数はやや低いようで須賀、まろやか(?)で飲みやすかったです。ぬるいとパンの味がするんですけどね、、、
*15:北朝鮮の外国人向けの店では、通常ユーロ立てで価格表示がされています。ドルじゃないあたりにただならぬものを感じますね〜w ただ支払いはドルや円、場合によっては人民元でも可能です。ちなみにそういう店では人民ウォンを使うことはできません
*16:さあ、ここで私の語学力が露呈しましたよwww
*17:テレビは日付をまたがずに放送終了
*18:ちょっと昔になぜかその曲の着メロを友人からもらったんですねwww