かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

ほん

5G、サイバー攻撃されたらどうなる?/『5G』(森川博之)

5G 次世代移動通信規格の可能性 (岩波新書) 作者:森川 博之 発売日: 2020/04/18 メディア: 新書 5Gの本格的なサービス開始を控え、その技術的な特色や展望を学べる本です。 超高速・低遅延・多数同時接続が特徴で、IoTを通じてあらゆる産業に応用可能な点、5…

「主力艦7隻の損害で、敵の127隻を葬った」ー大本営発表、問題の孕む現代性/『大本営発表』(辻田真佐憲)

大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 (幻冬舎新書) 作者:辻田真佐憲 発売日: 2016/07/28 メディア: Kindle版 日中戦争から敗戦に至るまでの大本営発表について、時期ごとの変容、発出の仕組み、そこに潜む構造的問題などをバランスよく論じた好著です。…

名無しの男たちへの告発の書/『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本) 作者:チョ・ナムジュ 発売日: 2018/12/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) 1982年生まれの韓国女性に最も多い名前とされる「キム・ジヨン」という登場人物に仮託して、韓国社会における女性の「生きづらさ」を告発した…

ググレカスを凌駕する西洋哲学のベストセラー/『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル)

ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙 作者:ヨースタイン ゴルデル 発売日: 1995/06/01 メディア: 単行本 約25年前の世界的ベストセラーです。15歳を迎えるノルウェーの少女・ソフィーを巡るファンタジー小説でありながら、西洋の哲学史を平易に解説して…

『哲学用語図鑑』(田中正人)

哲学用語図鑑 作者:田中正人 発売日: 2015/02/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 何年か前に買ったきりだった本を、改めて眺めてみました。著名な哲学者やその思想・概念などを、イラストを中心に解説した本です。ただ単に用語解説をするだけでなく、背景…

『西洋政治思想史』『現代政治理論』

西洋政治思想史 (有斐閣アルマ) 作者:宇野 重規 発売日: 2013/10/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) 現代政治理論 新版 (有斐閣アルマ) 発売日: 2012/03/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 流れで2冊読んでみました。内容はタイトルそのままでして、『…

親子の2020年4月読書「月間賞」

canarykanariiya.hatenadiary.jp 非常に時事的なチョイスで須賀、私はこちら。 新型コロナウイルスも、天然痘のように地上から「撲滅」されることは恐らく考えられず、やがて多くの人が免疫を獲得するなどして「ありふれた病気」になっていくのでしょう。そ…

「コロナ」と「コロナ後」を射程に収める名著/『疫病と世界史』(ウィリアム・マクニール)

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1) 作者:ウィリアム・H. マクニール 発売日: 2007/12/01 メディア: 文庫 疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2) 作者:ウィリアム・H. マクニール 発売日: 2007/12/01 メディア: 文庫 我々の祖先がアフリカの熱帯雨林を離れて…

『追跡 金正男暗殺』(乗京真知、朝日新聞取材班)

追跡 金正男暗殺 作者:真知, 乗京,朝日新聞取材班 発売日: 2020/01/30 メディア: 単行本 白昼の国際空港で繰り広げられた俺たちの正男金正男の暗殺劇を追った、朝日新聞のウェブ連載をまとめたものです。金正男の直前の足取り、実行犯とされた2人の女性たち…

韓非子からコロナウイルスまで/『韓非子』(常石茂訳)

韓非子 作者:常石茂訳 発売日: 1968/01/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 中国・戦国時代の法家を代表する思想家、韓非子の著作とされるものです。「されるもの」というのは、後世の人の加筆とみられる箇所も多い点を踏まえた留保です。 マンガ孫子・韓…

新書の2類型について/親子の2020年3月読書「月間賞」

長男はこちらのようです。 かいけつゾロリのようかい大リーグ (33) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話) 作者:原 ゆたか 発売日: 2003/07/01 メディア: 単行本 大好きな祖父に買ってもらったということもあるで生姜、「ゾロリの中で一番面白…

政治スタイルに「諸刃の剣」も/『島津斉彬』(芳即正)

島津斉彬 (人物叢書) 作者:芳 即正 発売日: 1993/11/01 メディア: 単行本 幕末の四賢侯に数えられ、西郷隆盛らを登用した薩摩藩主・島津斉彬の伝記です。 大局観に優れた人物で、また人材育成や産業振興を進めた業績は、明治維新後の殖産興業のさきがけとも…

『テクノロジー思考』(蛯原健)

テクノロジー思考 技術の価値を理解するための「現代の教養」 作者:蛯原 健 発売日: 2019/08/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「近年において世界のあらゆる事象、組織、そして人間にテクノロジーが深く関与し、また支配的な存在として強い影響を与えて…

小泉訪朝の「立役者」が語る/『見えない戦争』(田中均)

見えない戦争 (中公新書ラクレ (671)) 作者:田中 均 発売日: 2019/11/07 メディア: 新書 小泉純一郎元首相の訪朝および日朝平壌宣言の立役者として知られる、元外交官による本です。日本にとって重要な米中や南北朝鮮の情勢や今後の見通しについて経験*1を交…

歴史や理論から見通す労働法の全体像/『労働法入門』(水町勇一郎)

労働法入門 新版 (岩波新書) 作者:勇一郎, 水町 発売日: 2019/06/21 メディア: 新書 労働法と呼ばれる法律群の全体像や見通しについて紹介する本です。 いわゆる「働き方改革関連法」といった最新動向に触れつつも、法解釈などに関する個別の論点よりは、歴…

親子の2020年1・2月読書「月間賞」

長男は引き続きマンガ全盛期です。図書館で借りる本もマンガばかりにはならないように気をつけていま須賀、借りてきても繰り返し読むのはやはりマンガ。いろんな媒体に、バランスよく触れていってくれればよいのですけども… このところはこちらがお気に入り…

批判的眼差しを欠いた議論/『内閣情報調査室』(今井良)

内閣情報調査室 公安警察、公安調査庁との三つ巴の闘い (幻冬舎新書) 作者:今井 良 発売日: 2019/05/30 メディア: 新書 日本の情報機関である内閣情報調査室(内調)、公安警察、公安調査庁それぞれの機構や活動を実例を挙げながら紹介しつつ、それらの「三…

史料から見る明智光秀/『信長家臣明智光秀』(金子拓)

信長家臣明智光秀 (923) (平凡社新書) 作者:拓, 金子 発売日: 2019/10/17 メディア: 新書 タイトル通り、織田信長の家臣としての明智光秀の事績から、本能寺の変を起こすまでを、詳細な史料に基づいて論じた本です。 将軍・足利義昭と信長に両属していた時期…

[レビュー]イノベーションのジレンマにどう抗するのか/『2050年のメディア』(下山進)

2050年のメディア 作者:下山 進 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/10/25 メディア: 単行本 読売新聞、日経新聞、そしてYahoo!にフォーカスして、インターネット時代のメディアのあり方を巡る様々な構想や駆け引きを取材した本です。 電子版普及を進め…

少女漫画としての『日出処の天子』、など…

日出処の天子 全7巻 (漫画文庫) 作者:山岸 凉子 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2003/09/10 メディア: コミック 先日の友人との読書会で『日出処の天子』を読みました。聖徳太子が超能力を持ち、同性への愛に煩悶するという設定で、一世を風靡した作品です…

[レビュー]歴史から25年後を「予言」する/『大予言』(吉見俊哉)

大予言 「歴史の尺度」が示す未来 (集英社新書) 作者:吉見 俊哉 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/04/14 メディア: 新書 歴史(の尺度)を通じて未来を考えることを目指す本です。もちろん予言書ではないです(笑) 人口学的に一世代にあたる25年、覇権…

[レビュー]『歴代首相物語』(御厨貴編)

増補新版 歴代首相物語 (ハンドブック・シリーズ) 作者: 出版社/メーカー: 新書館 発売日: 2013/12/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) 初代・伊藤博文から現職の安倍晋三までの歴代首相を、リーダーシップに注目しながら紹介した本です。 編者の言う通り…

親子の2019年12月読書「月間賞」

あけましておめでとうございます…とは特に思っていないので、通常の更新です。 canarykanariiya.hatenadiary.jp 私はこちらの『自公政権とは何か』にします。歴史的記述、政治過程や選挙の分析ともに優れていると感じました。 ミュウツーの逆襲 EVOLUTION (…

[レビュー]『ジニのパズル』(崔実)

ジニのパズル (講談社文庫) 作者:崔 実 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/03/15 メディア: 文庫 在日コリアンの少女ジニが、朝鮮学校での出来事を振り返りながら「世界との不和」に向き合う物語です。ジニのキャラクターと相まってか、非常にテンポよく…

「倭王武」は本当に雄略天皇?/[レビュー]『倭の五王』(河内春人)

倭の五王 - 王位継承と五世紀の東アジア (中公新書) 作者:河内 春人 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/01/19 メディア: 新書 中国の文献を中心に、古事記・日本書紀、考古学的知見などを活用しながら、倭の五王とその時代について読み解こうとす…

[レビュー]『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子)

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち 作者:新井 紀子 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2018/02/02 メディア: 単行本 「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトや、教科書をもとにした読解力テストに取り組む著者が、A…

どちらも「悪夢」にしないために/[レビュー]『民主党政権 失敗の検証』、『自公政権とは何か』

民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (中公新書) 作者:日本再建イニシアティブ 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2013/09/21 メディア: 新書 自公政権とは何か (ちくま新書) 作者:中北 浩爾 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/05/07…

親子の2019年11月読書「月間賞」

canarykanariiya.hatenadiary.jp 私はこの本にしました。データを駆使しながら、日本社会にとって重要な問題を浮き彫りにしていっています。 怪盗ジョーカー(1) (てんとう虫コミックス) 作者:たかはしひでやす 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/06/0…

「身の丈」発言と格差の深淵/[レビュー]『教育格差』(松岡亮二)

教育格差 (ちくま新書) 作者: 松岡亮二 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/07/05 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る データを駆使して日本が「凡庸な教育格差社会」であることを示し、その先を展望する本です。 いつの時代にも生まれ(世帯収…

「大転回」を見据えた構想力/[レビュー]『戦後日本首相の外交思想』(増田弘 編著)など

戦後日本首相の外交思想:吉田茂から小泉純一郎まで 作者: 増田弘 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2016/09/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 書名の通り、吉田茂から小泉純一郎までの首相のうち17 人の外交(思想)について…