かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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1歳2カ月児と行く!バリ五日間の旅〜一日目・フライトとホテルまで

0日目まで

幼児を海外に連れ出すということ

妊娠、出産、育児、転居しての共働き…。一昨年秋からの家庭生活は、眼前やお腹の中にいる長男を中心に回ってきました。夫婦で飲みに行くことがままならなくなった*1のはもちろん、どちらかが用事やイレギュラーな時間の仕事で家を空けねばならない場合は、もう片方は留守番で子守りをせねばならない。いわゆる夜泣きが毎晩恒例でなくなってきたのも割と最近ですし、私のことだけで言えば、夜中のニュースを紙面に突っ込んでから帰宅しても、翌朝早くには長男の入浴タイムが待っていたりします。敢えて一面的な言い方をすれば、子供がいることによって生じる行動の制約は結構馬鹿になりませんで、特に私のような気ままな人間にはそれが身に沁みたりもします。
恐らくその最たるものが外出であり、その規模の大きなもの、即ち旅行でしょう。まず、出かける度に10kgの人間を前面に抱え込むか、階段や段差の多い経路を用いることを断念するかという判断を強いられ、食べ物やおもちゃなどの荷物も格段に増える。公共交通機関で泣かれては困るし、生活リズムが崩れないよう、極力夜間は外に連れまわしたくない…。そう考えていくと、飛行機、新幹線、車など、どういった手段で移動するにしてもオオゴトにならざるを得ません(実際そうでした)。国内でさえ容易でないのに、言語や慣習が違い、緊急時の対応も格段に難しい外国に連れていけるものなのか。正直言って、不安ではありました。
それでも、だからといって海外旅行を諦めたくもなかった。たまにであっても初対面の人や街、文化に触れることは、相手を知って見聞を広めることになるのみならず、自らを知り、その知的・感覚的基盤を問い直すことにもなります*2。夫婦の共通の趣味の一つでもありますし、出来得ることなれば長男にも、好きになるかどうかはともかく食わず嫌いはしてほしくない。これは完全に親のエゴで須賀、お互いに相手(たち)と海外に出かける経験を通じて、そのことについて何らかの形で折り合いをつけていきたい。そんな気持ちで、笑顔を振りまきながらよちよち歩きをするようになった長男を、私も行ったことのない南半球に連れ出すことにしたのでした。
バリを行き先に選んだのには経路依存的な理由もありま須賀、リゾート地でありながら観光も楽しめる、との評判を前々から聞いていたからでもあります。さすがに立て続けに夜行列車に乗ったり、全荷物をからってその日の宿を探し回ったりするわけにもいきませんので(笑)、これからお互い慣れていくという意味合いも込めて決めました。

0日目

この日は出勤でございましたので、出かける前に準備をあらかた済ませ、深夜に帰ってきてそのまま眠りにつきました。

長男、初の海外へ

6時間のロングフライト

早起きをして、午前中のうちに空港へ。長男はあまり機嫌が宜しくないようで、寝不足の私もちょっとイライラ。それでも細君がプレイルームに連れ出すとニコニコ一人で遊び始めまして、自分に余裕がなくてもこういうときの一手間は怠ってはならんなあと思わされました。
今回利用したのはガルーダ・インドネシア航空。この年齢の子供は、席がないかわりに大人の1割の料金で乗せてもらえます。ただずっとどちらかの膝の上というのもお互いにしんどいですので、簡単なベビーベッドを設置できる席をお願いすることに。エコノミーの最前列などは足元も広く、前の壁にベッドを取りつけられるようになっており、国内線では事前に言っておけば無料でこうした席に座られてもらえるんで須賀、ここでは追加で6300円払ってその席の並びを確保することになりました。この辺は航空会社によって違うのかもしれませんが、幼児1人の料金の中に保護者1人がそこに座ることは含まれているけれども、もう1人座りたいならその分の追加を払ってね、という理屈立てでしたね。ちなみに先走って言ってしまうと、帰りも空港で頼んで同じ席にしてもらったのに追加料金はかかりませんでした。(帰りもその都度、席を探していた風だったので)行きに往復分を払った、ということはないと思うんですけど…
飛行機は昼前に離陸します。長男が比較的しっかりと寝てくれ、細君もよく面倒を見てくれたことをいいことに、ビールを飲んだりたまには一緒に遊んだりと、リラックスした時間を過ごせたように思います。

この度の定番になるビンタンビール。ナッツも香辛料が効いていました。

ちなみにベッドはこんな感じです。

「こども、こども」

さて、6時間半ほどのフライトを経てグラライ国際空港に着陸します。バリは東京より1時間遅くなっておりますので(UTC*3+8)、ここからはバリ時間でお付き合いください。
飛行機を降りたら、まずは入国審査です。インドネシア国籍、ASEAN国籍、その他の三つのくくりになっていて、当然私達は他の乗客らとともにその他の列に並んでいたので須賀、職員に突然呼び止められます。「You, come here」。不審者ぶりを見抜かれるにしても早過ぎるだろうと思って理由を訪ねると、日本語で「こども、こども」。子供連れに気を遣って、ガラガラだったASEAN国籍のレーンに誘導してくれたのでした。
まあ、搭乗前に預けたベビーカーがなかなか見つからなかった*4せいで所要時間的にはさして変わらなかったんですけどねwww
ちなみにビザは廃止されていて、入国カード記入やビザ代の支払いを求められることはありませんでした。
そんなこんなで空港の到着ロビーに出てきたのが午後6時前。目の前には、インドネシア独立70周年を祝う記念撮影ブースが。まさに前日の17日がその記念日でありました。

とりあえず日本円をルピアに両替し*5、タクシーのカウンターで空港からほど近いリゾート地・クタまでのチケットを10万ルピアで購入します*6。チケットを持って外を歩いていると、しかるべき運転手さんがこちらを呼び止めてくれるという卓越したシステム(?)で、ホテルに直行しました。
ここで初めて、バリの街中の光景を目にしたわけなんですけれども、交通量が多いですね。特にバイク。これは別の機会ですけれども、信号が青になると同時に蜂の巣をつついたかのようにバイクの群れが走り出したり、乗っている車が暴走族にでも囲まれたのかと思ったらそうした一群だったり*7など、滞在中本当によく見かけた、というよりは、見ないことがなかったように思います。そして皆さん、運転が荒い。実際、空港からホテルまでの短い移動でもバイク同士が出合い頭にぶつかる事故を目撃しました。まあ両者ともにけがもない様子で、ちょっと口論をしたくらいで警察を呼ぶこともなく(!)お互い立ち去っていましたけどね。

外国人リゾート客として

今回お世話になったのはBali Dynasty Resort, Kuta Bali Hotel. Official Website
*8
子供連れにも優しい、ということで細君が予約してくれました。バリ島は(実は行ったことないけど)四国の3分の1ほどの面積があるそうなので須賀、今回はここを拠点に旅程を組み立てていく算段です。
早速荷解きをして街中へ。

もう午後7時ですので、長男のことも考えて近場にしましょう。

ビンタンビールとアンカー。アンカーの方がコクがあって、ラガー派の私は気に入りました。「ラガーよりスーパードライでしょ」という方はビンタンビールがいいかも。

ナシゴレンとサテチャンプルー。おいしかったです。長男は左の皿の野菜*9が思いのほか辛かったようで、一口食べた途端に泣き出してしまいました。
料理とビール3本で35万ルピアしたので、明らかに観光客向けのお高い店でした。帰り際に店長と思しきおじさんに「どこに泊まってるの?明日は何をするの?ボートに乗らない?」と若干営業されましたが、その辺はご愛嬌。この手の質問&売り込みはあちこちでされまして、特に宿泊先のホテルを聞くというのは、その観光客がどのくらいのお金を持っているあるいは使う気があるかというのを推測するためであるそうです。いかにもリゾート地って感じですねえ。

「清酷」とお部屋のあれこれ

あと街中にはこんなお店も。


「清酷」。商品名にひかれて思わず買ってしまいましたが、酷いと思うことは特になく、ちょっと甘ったるい柑橘系のジュースでした。味としては缶チューハイにありそうな感じです。
8時には宿に戻り、長男と一緒にシャワーを浴びて寝ます。シャワーはヘッドが大きくて動かないタイプのもので、いつも私の膝の上でちょろちょろとシャワーを浴びている長男はちょっと恐怖心を抱いたようでした。シャンプーの泡が目に入らないようにするのに一苦労。洗面器が一つあるとだいぶ違うかもしれません。

ベッドはこちら。どなたか先客がいらっしゃいますね。お願いしていたベビーベッドはちょっと使いにくそうだったので、私と細君でかなり寝相の悪い少年を取り囲んで寝ました。

*1:そもそも細君は1年を優に超える妊娠〜授乳期間中、アルコールを口にすることすらできなかった

*2:毎度ここにだらだらとした文章を書いているのも、その一環であると考えています

*3:GMTじゃないんですね

*4:回ってこないと思ったら床に置かれていた

*5:10000円→106万ルピア。市中よりもややレートが悪かったです

*6:ちなみにこれはかなり割高です。帰りは同経路でちょうど3分の1の値段でした

*7:なので日本での生活が長い人がバリで「バイクに囲まれた!」と感じても、実際問題心配する必要がないケースが多いで生姜、逆にバリ出身の人が日本で「自分はバイクの集団に意図的に包囲されている」と気付く頃には、事態はもう手遅れになっている可能性が高いと思われます

*8:念のためで須賀、翌日撮った写真です

*9:青唐辛子、ではないと思うので須賀…