現場を離れて久しい新聞記者のブログ。 読んだ本の紹介や旅行記(北朝鮮竹島イランなど)が中心です。 ブログランキング・にほんブログ村へ

スノーデンを尋ねて〜強行軍!ロシア個人旅行記一日目・アブダビからモスクワへ

0日目まで

「有言不実行男」がロシアを目指すまで

自分はどちらかというと「有言不実行」タイプかなあと思うことがあります。もちろん悪意を持ってそうしているわけではなく、「有言実行」に持っていけたことも少なからずあると自分では思っているので須賀、いかんせんどうにも思い付きでしゃべってしまうことが多く、いつもまず「有言」があり、次いで「実行」を模索する中で、現実的な問題との兼ね合いでトーンダウンしてしまうことがままあることは認めざるを得ません。
私にとって「ロシアに行く」ということは、その最たるものの一つでした。東西冷戦で「社会主義の親玉」として君臨したソ連、そしてロシアに興味はありましたし、学生時代に読んだ『罪と罰』は感銘を受けた小説の一つです。去年の新婚旅行のトランジットでモスクワに降り立った際にも、「是非一度行ってみたい」と思ったものでした。しかし、その「実行」に立ちはだかったのが、ロシア旅行のバウチャー制でした。ロシア入国に必要なビザを取得するには、事前にホテルや交通手段を確定させなければいけない―。それがロシア旅行の建前であり、それを敷衍すれば、ロシアでは自由旅行ができないということになります。これは、これまで唯一の巨大な例外を除いて、勝手気ままに街をふらつき、拙い外国語とジェスチャーで現地の人と交渉し、乗れるバスや電車に乗って、ここにいたいと思ったらその場のノリで長居をする…という自由が旅の楽しさだと信じ、短い旅程ながらもそうした「遊び」を盛り込んできたつもりの私としては、非常に大きなネックでした。たまの休暇にツアーなんぞに参加して、集団行動をさせられるのはまっぴらだ。となると、なかなか旅行先の「ドラフト1位」には乗ってこないというのが正直なところでした。
じゃあどうして行って来るに至ったのか。やはりそこは細君でした。彼女はまさに「有言実行」を地で行くような人間で、私が思い付きで言ったことを実現させてしまう、ということがこれまで何度もありました。ある意味において、大きいことを宣うだけならまあかわいいものとも言えるので生姜、今はそれに強力な駆動車が連結されてしまったようなもので、おちおち思い付きで外出の提案もできません(笑) ここまで話せばご賢察いただけるとは思いま須賀、今回ロシアに行くことになったのも、細君の強い後押しがあったからです。もう一つの候補だったミャンマーが季節的によくなさそうということもあり、せめて2人合わせて「有言実行夫婦」であろうとロシア行きを決めました。
しかしまあ、調べてみればいろいろあるもので、ロシアビザセンター公式サイト 開設10周年記念 ¥7,500~ 観光ビザ・ビザサポートレター即日発行・ビジネスビザ・マルチビザ・緊急翌日取得対応さんに依頼したところ、航空券やホテルを予約していない段階でビザを手配してくれました。また、こうした業者を通さなくても、ロシアビザの申請(東京のロシア大使館で個人申請した体験談) - 無職旅2というような手段で取得することも可能なようです。結論から言えば、現地飛び込みで宿や交通手段を確保するロ須賀他国と比べてもかなり大きいらしいということや、細君からかなり強い申し入れがあったことに鑑み、不本意ながら、長距離移動手段と宿に関しては事前に押さえておくことになりました。

0日目

仕事を終えて帰宅し、ごそごそ準備を始めたので須賀、なぜだか日常を引きずってしまって「明日から海外に出かけるんだ」という高揚感のようなものはとんと感じられませんでした。

アブダビ経由でモスクワへ

空の道で知る「骨の道」

旅行1日目、といっても、夜の便で日本を飛び立つため、ここで話して面白そうなことはさしてありません*1
UAE国営のエティハド航空で、まずは同国の首都アブダビを目指します。日本とアラビア半島を結ぶ便ですので、そもそもロシアの大地との縁はあまりないわけで須賀、たまたま機内放送でイギリスのコメディアンが酷寒のシベリアを車で旅するBBCの番組を見つけ、まだ「ロシア旅行モード」になりきらない頭を切り替えるよすがにとチャンネルを合わせます。彼らが旅したのは、東シベリアのヤクーツクからマガダンを結ぶ「コリマハイウェイ」。スターリン時代に膨大な人的犠牲のもとに造られた道路であるため、「骨の道」とも呼ばれているそうです。車のエンジンを止めておくとガソリンが凍ってしまうとか、風呂の蛇口をひねったら錆なのか何なのか、赤黒い液体がドバドバ出てきましたとか、そんな過酷な状況の中で両都市間を走破する様子を追った番組で、気候のいい真夏のハイシーズンにロシアの二大都市を訪ねる自分の身の上とはおよそ関係ないと言った方が適切なので生姜、それでも、「これからロシアに行くんだ」という実感はずいぶん湧いた気がします。あ、そうそう。ちなみに機内食は結構おいしかったですよ。

「中東」たる地の利?

アブダビ国際空港には、現地時間の28日午前3時半前に到着。この時間で外は34℃だそうで、ペルシャ湾岸ならではと言うべきか、タラップを降りた時のジメっとした空気は何とも表現しがたいものです。
次のフライトまで5時間前後。もうちょっと時間があれば&明るい時間帯ならアブダビの街に繰り出したいところだったので須賀、空港内に留まります。

機内であまり眠れず、結構眠かったので須賀、ロビーで爆睡する勇気はなくwi-fiスポットでスマホをいじったり、作戦会議をしたりして時間を過ごしました。
午前6時を過ぎると、人がかなり増えてきます。

東アジア系、インド系、アフリカ系、欧州系、そしてアラブ系…。そうしたさまざまな風貌の人でごった返します。この空港がハブ空港としての役割を果たしているとすれば、それはまさに「東」という地理的条件ゆえの恩恵でしょうか。同じ飛行機に乗ってきた日本人の一定数は、フランス行きの団体旅行客のようでした。
モスクワ行きの飛行機はやや遅れて、午前9時前に離陸。飛行機はここぞとばかりに爆睡する私を乗せて、シーラーズ、イスファハーン、テヘランと懐かしい町の上空を抜けて北へと向かいます。

*1:このブログ全てがそうかもしれませんが