かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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「麒麟がくる」三十二話/光秀との深い仲が筒井順慶の死期を早めた?

【目次】

 

www.nhk.or.jp

フィクサー今井宗久の暗躍

再登場の今井宗久の政治的センスが光る放送回でしたね。

明智光秀木下藤吉郎が鉄砲を求めて宗久を訪ねま須賀、ちょうど先約があって譲ることができないと断られます。ただ、売却先が大和の筒井順慶であることを商人の信義に反しないギリギリのところで匂わせ、光秀と順慶が直接交渉する場までお膳立てしていました。これは想像で須賀、恐らく宗久は順慶の政治的思惑(敵対する松永久秀に対抗するため、信長に接近したい)まで理解しており、順慶と光秀(を経由して信長)を繋ぐ意図まで持っていたのではないでしょうか?まさにフィクサーといった感じの暗躍でした。

ちなみに茶会の舞台となった顕本寺こそ、以前紹介した三好家と堺との関係の深さを象徴する寺であり(三好長慶の父の最期の地)、その辺も意味深長な設定でした。

canarykanariiya.hatenadiary.jp

光秀との深い仲が筒井順慶の死期を早めた?

さて、筒井順慶の話をしましょうか。

筒井氏は大和の土豪の家系で、順慶は父の死によりわずか2歳で家督を継ぎ、松永久秀らと戦い続けてきました。ドラマで約束していた通り、明智光秀を通じて信長に臣従したのは事実です。そして順慶は、織田家中で有力な武将となっていた光秀の与力となり、その軍事行動を支えることとなります。縁戚関係にもあったそうです。

本作では、光秀と松永久秀の長い交友が描かれてきていま須賀、ここにきて、光秀は久秀の宿敵・順慶とも深い関係を結んでいくことになるわけです。その板挟みのようなシーンも描かれていくことになるのでしょう。

そして先走って言ってしまえば、順慶はその光秀との関係の近さから、本能寺の変後に明智方に参加するよう勧誘を受けます。その使者に立ったのが伝吾だそうです。順慶はそれを断ったものの、勝者となった秀吉から(まさに「洞ヶ峠」の日和見と見做されて)睨まれ、秀吉に酷使され続けたことが順慶の死期を早めた…という見方もありますね。

その当否はともかく、この先を語る上での重要人物であることは間違いありません。まさかと思いましたが、笑福亭鶴瓶の息子さんなんですね。期待しています。