かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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「麒麟がくる」二十七話/堺と三好の「絆」を断ち切った駒の大活躍

【目次】

 

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お駒さんのビッグディール

今週はお駒さんが大活躍でしたね。丸薬の商いというカードがあるとはいえ、今井宗久を相手に(トランプ大統領流に言えば)「ビッグディール」をやってのけました。架空の人物でありながら、ここで歴史の展開にも一枚噛んできました。これから光秀が京で活動する機会も一層増えてきますので、彼女が重要な役割を果たすことも増えてくるかもしれません。

会合衆と三好、そして信長

さて、今井宗久は茶人であるとともに堺の有力商人としても知られています。彼はこの後、織田信長を強力に支援するようになるわけで須賀、ドラマでも触れられた通り、堺の会合衆が三好家と密接な関係にあったのも事実です。三好長慶は堺の法華宗寺院や商人を支援することを通じて、町への影響力を強めていったそうで、信長と堺の関係もその延長線上にあるとの指摘もあります。

信長公記』にみる信長上洛

その宗久が実際のところ、信長の上洛自体にどこまで貢献したのかはちょっとよくわかりません。『信長公記』によると、信長は京の東福寺に陣を移した後、現在の長岡京市方面を攻めたりしていますので、全くの「無血上洛」を果たしたわけではありません。ドラマで宗久も指摘していた通り、三好系の勢力はまとまりを欠いており、松永久秀らはこの上洛に協力する姿勢だったそうです。

ちなみに同書には、義昭に贈った「千貫文」は銅銭だったと記されています。金にしたのは演出で生姜、後の決裂を示唆する、印象的なシーンでしたね。

またしても仕官を断る光秀

あたかも信長家臣かのごとく家臣団と激論を交わしたかと思えば、やはり信長への仕官は断る光秀。史実でも曖昧な両属状態がしばらく続くようで須賀、信長に正式に仕える際、ドラマとしてどんな筋書きを用意するのかも興味のあるところです。