かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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「麒麟がくる」四十話/「春日大社の呪い」と噂された松永久秀の末路

【目次】

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松永久秀の死は春日大社の呪い?

物語の序盤から十兵衛と交流があった松永久秀が、ついに波乱の生涯を閉じました。

信長公記』によると、久秀討伐のために出陣したのは大将の嫡男・織田信忠に加え、佐久間信盛羽柴秀吉明智光秀丹羽長秀という錚々たるメンバーでした。信貴山城攻略の前哨戦で、細川忠興が一番乗りの活躍をしたことも紹介されています。

ちなみに久秀が焼死したのは、彼が東大寺大仏殿を「焼いた」*1ちょうど10年後の同じ日だったとされ、そのことといい久秀謀反の際に彗星が見られたことといい、春日大社のなせるわざだと噂されたーなんてことも書いてありました。

平蜘蛛が裂いた信長と十兵衛の仲

ドラマの中での注目ポイントは、何と言っても茶器・平蜘蛛だったでしょう。久秀もろとも砕け散った、との伝承が有名で須賀、調べてみたら「破片を繋ぎ合わせて復元された」「無事信長の手元に渡った」「久秀が親交のあった人物に譲った」などの説もあるそうで、明智光秀に託されたとの設定もその辺を参考にしたのかもしれません。

平蜘蛛を巡る十兵衛の嘘は、信長と十兵衛の関係にヒビが入る決定的な契機になりました。恐らく直前に信長が泣いていたのは、これからなされるだろうやりとりを予期してのことではなかったでしょうか。十兵衛も十兵衛で、信長との関係悪化を「久秀の罠」とまで言い、太夫に遠回しに嗜められるシーンが印象的でした。どちらも望まない破局への道筋が、顕在化した回だったように思います。

*1:意図的に放火したのかはよくわからないそうです