- 作者: ジェフリーロビンソン,Jeffrey Robinson,春日倫子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/11
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 66回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
ロンドンの超高級ホテル「クラリッジ・ホテル」を題材に、その日常の出来事や裏舞台を紹介したノンフィクションです。
韓国の金泳三大統領の訪問や、女王・エリザベス2世が出席する晩餐会といったイベント際する大掛かりな準備のみならず、「超高級ホテルの常連」面をしたいちょっとめんどくさい客への対応、「扉の向こう」でのスタッフ同士の機微など、様々な内幕がリアルに描写されています。
その中で興味深かったのは、ホテルスタッフたちの「いなす力」でした。
高級ホテルではこれほどまでに個別の宿泊客の要望に応えているのか、というのも驚きでしたが、それでも物理的orルール的に断らざるを得ない注文(譲れない一線)というのはあるものです。その時、如何に相手の気分を害さずに落としどころを見つけ、あるいは諦めてもらうか。その多様な事態への対応力、場合によっては相手をいなす力こそが、サービス業の腕の見せ所なのかなと感じました。
私自身、この種の高級ホテルに泊まったことはあまりありませんが、敢えて似た経験を挙げるなら、キューバで泊まった「ナシオナル・デ・クーバ」でしょうか。
canarykanariiya.hatenadiary.jp
まあこのホテルのハウスキーパーは、私たちを「いなす」どころか正面からバトルを展開してきたんですけどねwww
しかしこの一件、本に出てくるような幹部の朝礼で議題になったりしていたのかな、と想像してみると、今更ながらちょっと笑えてきます。
ハウスキーピング部門からの報告。「◯△◇号室の日本人家族客が、衣服のクリーニング代の支払いを拒否。料金表を手渡されておらず、一度も有料のサービスだと言われなかったと主張、議論がかみ合わず」
いつもありがとうございます!