かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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路線バスで巡る韓国・済州島with2歳児〜三日目・西帰浦潜水艦と中文リゾート

潜水艦で海中散歩

情弱、バスターミナルへ

この日は午前6時過ぎに起床。朝食と身支度を済ませて、お世話になった宿を午前8時半にチェックアウトします。あと1泊は日本海に面した南部で過ごそうという算段で、今日はまず、西帰浦を目指します。
ほどなく昨日も乗り継いだ市外バスターミナルに降り立ち、西帰浦行きの切符を求めます(3300ウォン)。西帰浦は昨日の時計の喩えで言えば6時ぐらいの位置にあり、ここからは島を南北に縦断する路線が利用できます。それも漢拏山から見て東寄りのルートと西寄りのルートがあり、それぞれで券売所の窓口も違ったようなので須賀、西寄りルートの窓口しか稼働していない様子でしたので、そちらで9時12分発を押さえることにしました*1
バスは定刻通り発車。西寄りということで、今来た新済州方面に向かうだろうことくらいは想像していたので須賀、あれよあれよという間に見慣れた景色の方へ。そしてあろうことか、1時間前にチェックアウトしたばかりのホテルの目の前にあるバス停に停車したのでした。そこから情報強者の皆様が乗り込んでくる様は、細君と苦笑いをしながら眺めているしかありませんでしたねww まあ、この局面で市外バスターミナルを経由するというのは最も安全確実で分かりやすい方法ではあったと思うので須賀、昨日細君がやったようにフロントで聞いておく方が全く合理的でありました。

西帰浦と徐福伝説

気を取り直して先に進みましょう。バスは漢拏山を左手に見ながら南へ。


昨日とは打って変わって、高地らしくもある景色を抜けていきます。
宿泊予定の中文エリアを通過して、2002年サッカー日韓W杯の試合も行われたスタジアムをチラ見。

10時半ごろに西帰浦市外バスターミナルに到着します。

ここから目的地の港までは2キロほど。時間的な問題もあり、もともとタクシーを使うつもりではいたので須賀、なにぶん宿を出てそのままの状態でここまで来ていますので、スーツケースやらベビーカーやらは抱えたままです。できればここいらで手放したかったので須賀、ターミナルのロッカーは使えず、事務所のおじさんもけんもほろろの塩対応だったので、大通りまで引きずっていってタクシーに乗っけることになりました。乗ってしまえば港はすぐそこ。料金は2900ウォンでした。
話は逸れま須賀、この西帰浦という地名の由来は何だろうと思って調べてみたら、徐福伝説にまつわるという説もあるんですね。それによると、始皇帝に甘い話を持ちかけの命を受けた徐福は不老不死の薬を探しに漢拏山を訪れた後、西っていったそうで、その際に船を停泊させた海岸()であったことからその名がついたのだとか。今回は訪ねませんでしたが、徐福が字を刻んだとされている滝の岸壁の近くには「徐福展示館」もあるそうですよ。

アワビを踊り食い?

さてさて、こうして辿り着いた西帰浦の港。お目当ては潜水艦です。動物園やふれあい牧場ではか〜な〜り怖がるのに、水族館ではいつも楽しそうな長男に、本当の海で泳ぐ魚を見せてあげようオレたちも潜水艦乗ったことないし、それを口実に行っちゃおうぜ、という趣旨でございます。11時の便に乗れるくらいの時間には到着したので須賀、予約していなかったので2時間待ちとのこと。人気なんですね。懸案の荷物も快く預かってくれましたので、ちょっと戻ったところにある天地淵瀑布に行こうかとも考えたので須賀、無理をしても仕方がないと昼食&周辺散策くらいにとどめておきました。

橋からの景色もよかったですね。



昼食はちょっと歩いた先で、海鮮チゲとアワビのお粥。

チゲの上に乗っているアワビさんは出てきた時点では元気に(?)うにゅうにゅ動いていて、店員さんからも「しゃぶしゃぶして食べて」と言われていたので須賀、さすがに見た目的に無理だったので暫く石川五右衛門状態にしてから頂きました。そういう体験もできたことを含めていいお昼ご飯でしたが(特にお粥は非常に美味でした)、何度も言いますけど34000ウォンとはこれまたなかなかの観光地価格でいらっしゃいました。

海底4万ミリメートル

そして待ちに待った潜水艦。まずはこんな船に乗って沖合へ。

この時点で「日本の方ですか?」とスタッフから声を掛けられ、その後は片言ながら日本語で案内してくれるようになりました。数分行って、潜水艦に乗り換えます。

潜水艦ではまさかの「外国人優先搭乗」がなされ、日本人(私達ともう1家族)→中国人→韓国人の順で乗り込んでいきます。

席はその時点でスタッフに案内されたので須賀、これがまた運転席の真後ろです。外国人誘客のための戦略、ということなのでしょうか。

出航した潜水艦は、10メートルずつ深度を上げ、水深40メートルの海底まで潜っていきます。


写真下の赤いランプが深さを示しています。

餌をまく(?)ダイバーさんに多くの魚が集まっています。

どうやっているのか分かりませんが、ハート形の気泡を放っていました。


うっすらと見えるのは難破船だそうです。

水深39.41メートル。海底に到着。

サンゴです。潜水艦からの照明で照らされています。

小さい魚もいますね。長男も言葉通りじっと見入っていました。
潜水艦はここで浮上。また船に乗り換えてターミナルに戻ってくるまで1時間半弱の海中散歩でしたが、本当にあっという間でした。

予想外のホスピタリティ

時刻は午後2時20分。今日のところは、ここから宿へ向かいましょうか。
行きと逆のルートを辿って、途中の「中文観光団地入口」バス停で降りれば近くまでいけることは分かっていたので須賀、朝の例もあったので、預かってもらっていた荷物を引き取りがてらホテルまでの交通手段を聞いてみることにしました。すると…
女性「タクシーを呼ぶんですか?」
私達「いえ、バスで行きたいんですけど」
女性「そうですか、ちょっと待ってください…直通のバスもありますので、最寄りのバス停まで送りますよ」
私達「えっ?ありがとうございます!」
間もなく現れたスタッフの男性が運転するワゴンに乗って、坂の上のバス停まで移動することができました。想像だにしなかった厚意に感謝感激の私達。細君は「マイカー以外で来る人もそういなかったんだろうね」と冷静な分析を披露していましたが、荷物のことから始まって、勝手の分からない外国人である私達への対応も的確かつ丁寧でしたし、それも特定の誰かが優しかったわけではなく、全体としてそれが行われている感じでした。大人1人56500ウォンと聞くと決して安くはないのかもしれませんが、15年ほど前まで沖縄で運行していた潜水艦「もぐりん」は倍以上の値段だったようですし、もぐりん以降、国内の観光潜水艦はなさそうでもありますので、非常にいい体験を快適にすることができたなあと思っています。済州島に来ることがあったら、是非乗ってみることをおススメします。

分不相応な豪華リゾートホテル

「ホテルはプール付き」www

46分発の600番バスで宿へ(2000ウォン)。乗車時間は30分ほどでしたが、長男はすぐに熟睡。抱っこして降ろしても目を覚ましませんでした。最近昼寝でも眠りが深いんですよね。時間も長くなりました。寝付きも目覚めも悪いというのは父親似の悪い傾向ですw
そんなこんなでホテルに到着。今日の宿は、こちらです!
http://www.shilla.net/jeju/index.do
済州新羅ホテルは済州島指折りの「超」が付く高級ホテルで、日韓首脳会談の会場にもなりました。記憶の限りでは、こんなホテル泊まったことないです(笑) もちろん1泊のみで須賀、これまでの2泊分の宿代を余裕で上回るお値段でした。
なんでこんなことをしたかというと、長男をプールで遊ばせてあげたかった、というのがありました。これまでに行ったバリ、バンコクのホテルはプール付きでしたし、保育園でも外出先としても、プールは結構好きなようです。加えて天候の問題というのもあり、この日と帰国予定の翌日は一時雨の予報にもなっていました。そういう日は、外を出歩くよりホテルのプールで遊んでいる方がよいでしょう。しかし、済州島でプール付きの宿というとなかなか手頃なところがないらしく*2、であれば1・2日目は予定より少し安く泊まって、最終日に奮発してしまおう。そんな話を、旅行前に晩酌をしながら決めたのでした。

テラスで優雅に缶ビール


バスを降り、壮麗な雰囲気の入り口をくぐると、まずはチェックインしにフロント…ではなく、待合室に通されます。何かやり取りをしたのか家族の会話を聞いてそう判断したのか忘れましたが、応対した男性が別のスタッフに「日本の方です」と小声で囁いて以降、用向きは日本語ペラペラのスタッフが対応してくれました。
そして、待合室がこれ。

予約者である細君の予約名とパスポートとで苗字が違っていたため、若干手間取ってはいましたが*3、こちらは出されたジュースを飲みながらのんびり待っています。そしてお部屋にご案内。ダブルベッドに長男が爆睡している写真しかないのでうpはしませんが、急な空室でもできたのか、ダブル+シングルのお部屋にグレードアップされていました。テラスからはこんな景色。

ここで悪い大人たちは、長男が起きる気配がないのをいいことに、冷蔵庫に冷えていた缶ビールをいただいたのでした(ルームサービスを呼ぶ勇気はない)。

ちなみに冷蔵庫の上には、こんな方々が鎮座しておられました。

<480>
ヘネシーX.Oというと、今は亡き金正日総書記のお気に入りですね。そもそも洋酒の相場観があるわけでもありませんが、目が飛び出るようなお値段だったのでもちろん手はつけませんでした。
そんなことをしている間に、午後4時半過ぎに。昼寝が長すぎると夜に眠ってくれないので、長男にもそろそろ起きてもらいます。

親子でプール。そしてまた…

日差しも落ち着いてきましたので、お楽しみのプールに行きましょうか。道中にはこんな部屋も。


ガキはここで遊んでろ、ということでしょうか。近くに託児スペースのようなところもありました。
そしてプールです。

正面奥から屋内にもつながっています。左奥はジャグジープール。37〜38℃で、半ば子供用みたいになっていました。プールの水温が低いと子供が嫌がったりするので、かなり重宝しました。一番奥にはテレビモニターもあって、リオ五輪の中継をやってましたっけ。リオ五輪の全期間を通じて、テレビ中継を見たのはこの時だけでした。ま、興味ないか。
1時間ちょっと遊んで、6時過ぎには「明日も来ようね」と引き揚げます。長男は更衣室で足を滑らせて後頭部を打ってしまい、様子はいつも通りだったので須賀しばらく不安でした。どう痛むとか、気持ち悪いといったことまでは本人がまだ表現できないので、海外では特に、こちらが気をつけてあげなければいけませんね。
部屋に戻ったあとは流れでお願いします流れでシャワーを浴びさせ、午後7時に外へ。さすがにホテル内のレストランに入る勇気はありませんでしたので、近くのホテル併設の店で、プルコギと冷麺をいただきました。それでも53000ウォンとか高杉晋作なので須賀、出た判断は正しかったかと。味も上品な感じでおいしかったです。コンビニで買い物をして部屋へ。
子供を寝かせた後は、再びテラス飲み。


金曜日の夜であることと関係があるのかどうか分かりませんが、プールサイドではジャズの生演奏が続いています。そんな中でビールを楽しむのは優雅と言えばそうなんで須賀、それに先立って幼児を寝かせる上ではちょっと気にはなりました。
よくよく考えてみるまでもなく、これが済州島最後の夜です。とはいえ買ってきたビールもそこまでの量はありませんで、11時ごろには大人しく就寝しました。

*1:ターミナルに着いたのが9時ちょうどくらいだったのでタイミング的にはベストでしたが、より漢拏山の近くを走る東寄りを通ってみたかったんですけどね

*2:宿探しは細君に一任していました、ありがとね

*3:細君がパスポート取得後に結婚して姓が変わったからなんで須賀、韓国では結婚しても別姓のままなので齟齬(?)が生じたものと思われます