かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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「麒麟がくる」三十七話/明治天皇も切り取った蘭奢待

【目次】

 

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秀吉の将軍捕縛は下克上の象徴

足利義昭は信長に敗れ、室町幕府は事実上滅亡しました。武家の棟梁たる将軍を、成り上がりの象徴のような木下藤吉郎(秀吉)が捕らえるという演出は印象的でしたね。

今日はかなりのスピードで各勢力の消長が描かれていましたが、武田信玄死去の扱いは上手でしたね。真偽に疑いがあるともされていま須賀、信玄は「死後3年は我が死を秘せ」と遺言したとされており、はっきり死んだと言わなかったのはそのためなのかと想像しました。

明治天皇も切り取った蘭奢待

タイトルにも出ていた蘭奢待について、少しご紹介します。

蘭奢待東大寺正倉院に収められた香木で、それ故かそれぞれの字に「東大寺」の字が含まれています。聖武天皇の時代に中国から輸入されたと言われていま須賀、実際には10世紀ごろに下るとの説もあります。

放送にあったように、足利義満・義教・義政に加えて、後年には明治天皇も切り取ったそうです。『信長公記』によると、柴田勝家丹羽長秀(そう言えばドラマに出てきませんね)と共に、佐久間信盛東大寺に派遣されたと書かれており、その辺の記録にも忠実に描かれていますね。一方、公記は信長の徳を讃えるばかりでそういうニュアンスはないものの、正親町天皇が切り取りに反感を持っていたとの見方はあるそうで、天皇経由で毛利輝元の手に渡ったというのも事実のようです。蜜月に見える天皇と信長の関係がどうなっていくのか、注目したいところです。