40回もの訪朝を重ねたジャーナリストが、万景峰92や帰還事業による日本人妻、北朝鮮における残留孤児・徴用工・慰安婦・被爆者といった問題を取材した成果をまとめた本です。
北朝鮮当局とハードな交渉をこなしながら、これだけの取材をされてきたことには敬意を払いたいと思います。ただ、全体としてこうした事例をどこまで一般化できるのかについての留保はつけざるを得ないような気がします。
さらに言えば、「北朝鮮を必要以上に敵視する非情な日本政府」への批判色が強くにじみ出ていま須賀、私としては国交のない二つの国の論理に翻弄された人々に寄り添いつつ、そうした姿勢に欠ける面について日朝両政府に問題提起する、という視点で読みたいなと思いました。
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