近現代日本を史料で読む―「大久保利通日記」から「富田メモ」まで (中公新書)
- 作者: 御厨貴
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/04/25
- メディア: 単行本
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一つ一つの章はあまり長くないので、日記の中の耳目を引くエピソードが満載されているかというと必ずしもそうではないので須賀、どういう経緯で残された史料であって、故に読む際にはどういう点に気をつけるべきか*1、といった史料を読み解く上でのリテラシーのようなものについてはしっかり書かれていたように思います。
ですので(私のように)読み物としての楽しさを期待する人より、実際に紹介された日記の一つに挑戦しようとする人にとって有益な本であるかもしれません。それはともかく、こうした様々な史料を突き合わせて、一つの出来事や一人の人物について掘り下げる迂遠にも見える仕事の上に、歴史研究というものが成り立っているのだなあと実感しました。