かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『古代日本外交史』(廣瀬憲雄)

古代日本外交史 東部ユーラシアの視点から読み直す (講談社選書メチエ)

古代日本外交史 東部ユーラシアの視点から読み直す (講談社選書メチエ)

再読しました。自分で言うのも変なのかもしれませんが、前回のレビューで結構しっかり書き込んでいたので、若干戦意を喪失してしまいました(笑)
一つだけ付け加えるなら、よく言われる「東アジア世界」の「冊封体制」を相対化する意図というのは今回もよくわかったので須賀、ある解釈が可能だということとその解釈をこそ採るべきだということとは求められる論証のレベルがかなり違うわけで、前者で読めば非常に面白い観点ながら、果たして後者まで言えているのか、という疑問は所々ありました。通史たらんとするなら、論理性・妥当性においていわゆる通説に勝っていかないといけない。これは容易なことではないでしょう。
なんだかケチをつけているようで須賀、日本を取り巻く東部ユーラシアの国際環境を複合的に読み解いていくという意味において、非常に刺激的な本だと思います(そうでなければ二度読みませんw)。