かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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参院選を終えて/政治の貧困さを感じた「ねじれの6年*1」

参院選は大方の予想通り自民の大勝でしたね。これからTPP、原発、消費税、そして憲法と、次々と安倍政権と国民の両方にとってパンドラの箱になり得るテーマが俎上に上ってきます。あと3年、国政選挙はない可能性が大です。(もちろん私を含めた)国民は、これらのイシューを政権がどう料理するか刮目して見ることになりますし、安倍首相には与えられた議席やその意味に対して、謙虚な態度で政権運営に臨んでほしいと思います。
これで衆参の多数党が異なる「ねじれ」が解消されました。民主党政権末期から「決められない政治」と言われ続け、その解消のために与党に安定多数を与えたという方も一定程度いらっしゃるようです。それが悪いことだというつもりはありません。ただ、それこそ前々回参院選から民主党政権まで、前回参院選からこれまで「ねじれ」が続き、また実はその間の期間も参院の勢力分布が政権のアキレス腱であった、そんな時代が一区切りした上で感じたのは、「ねじれ」という条件をより強い合意形成につなげられなかった政治の貧困です。
お互い足を引っ張り合っていては話が進まないから、この際「決められる中身」や「決められる手順」を作り上げていこう、という政治の知恵は、少なくともこの6年間では結実しませんでした。「1と2分の1政党制」とも揶揄された55年体制下で野党が採った議会戦術*1を、二大政党制下の「ねじれ」議会でそっくりそのままのノリで使ってしまったことで、民主党は結局自らの首を絞めてしまいました。率直に言って、そういう政治文化が醸成されつつあることに最大の責任を負うべきは小沢一郎氏だったと考えていま須賀、今回彼の率いた生活の党が議席を獲得できなかったことも、なんだか象徴的な気もしてしまいます。
それはともかく、これは結局どの党だとかどの政治家だけが悪いということではなく、私にとってはそういう政治の貧困さを感じさせられた6年間でもありました。

*1:「1と2分の1」だったからなんとか回ってきたと言えるかもしれません