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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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[レビュー]『武器としての世論調査』(三春充希)

 

武器としての世論調査 (ちくま新書)

武器としての世論調査 (ちくま新書)

 

Twitterなどネットでの世論調査分析で定評のある著者が、世論調査の仕組みや選挙結果との関係、データで見る日本の様子などについて紹介する本です。

選挙結果や世論調査など各種データを駆使して、今を知るのに有用な切り口を平易に提示してくれます。特に、無党派層の中に一定数いるとされる政治的関心の高い層に着目し、選挙時に各政党の支持率が上がる現象(とその後の推移)や、報道機関の情勢報道を活用した戦略投票の手法、再び政権交代が起こる場合のこの層の役割などについて論じています。

新聞の情勢報道の文言が決まる現場というのもこれまで何度か目の当たりにしてきましたが、優位度を示す言葉の一覧表などは非常に興味深く眺めていました。結論についても、私の感覚として違和感ありませんでした。

この本は今年の参院選前に出版されましたが、noteで同選挙の結果などを踏まえた分析も展開しています。

note.mu

そこで言うと、著者も着目しているれいわ新撰組ですね。れいわが立憲民主党などと喰い合わずに、しばらく「寝ていた」無党派層を起こせるかが今後を占う一つポイントになってきていま須賀、彼らが議会政党として臨む初の国会(現在開会中の臨時国会)でどのような活動をして、野党各党とどのような関係を作っていくかは、その点にも影響を与えていくのではないかと思います。その点も注視していきたいです。

 

今の政治や選挙を考える上では、読んでおいた方がよい一冊だと思います。図書館で借りて読みましたが、買って手元に置いておきたいです。

 

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