かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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『ナショナリズム論の名著50』(大澤真幸編)

ナショナリズム論の名著50

ナショナリズム論の名著50

ナショナリズムにまつわる名(迷)著として50の本を挙げ、さまざまな論者がそれについて紹介・論評した本です。対象もそれぞれ*1、評者もそれぞれ、しかも「ナショナリズム」や「ネーション」あるいは「ステート」など、混乱や論争があって核心となるべき語義に関する共通認識を得るのも容易ではない問題系ともあって、よく分かんないまま読み始めるとかなりの地点までよく分からないので須賀、編者がそれを意図したとはあまり思えませんが、読了することには不思議と話が飲み込めていて、序盤で自分の理解を妨げていたのが何だったのかというようなことについても見えてくるようになっていたのでした。例えば読書も後半に差し掛かって初めて、自分がナショナリズムの起源について、無意識にフランスを思い浮かべておきながら、通説的・普遍的理解を求め過ぎていたのではないかというようなことに気付いたのです。

…まあ、そんな話は置いておいて、有名どころや個人的に興味をもったものを列挙だけしておきましょう*2

「古典」以前の古典。善悪二元論で悪名高い本でもありま須賀、ぜひ読んでみたい。和訳ないけどwww

ナショナリズム論と言えばこれ。後二者は早めに読みたいです。

この本も面白そうだけどやっぱ『創られた伝統』ですかね?

個人的には断念した時の苦い思い出が蘇るので須賀、どうやら最後まで似たような様子で議論が展開されるらしいということが分かった(笑)

  • 『大衆の国民化』(モッセ)

ナチスのシンボル政治が対象。北朝鮮にどのくらい引きつけられるか面白そう。

  • 『総力戦と現代化』(山之内靖など編)

総力戦が均質な国民を生みだし、それが戦後につながっているという議論。昔に読んだ『満州と自民党』(小林英夫)を思い出しました。

日本の論者のものです(これだけじゃないで須賀)。『敗戦後論』では、評者の生姜先生が「オレはこの議論が気に入らん!」と息巻いていて、その鼻息の荒さを感じながらも、私としても本棚にあるこの本を手に取るモチベーションは下がった気がします。

「日本人論」論として面白そう。

この本でほぼ唯一と言っていいトンデモ本扱いwwwwww

*1:ナショナリズム一般を扱うものから、別の議論からナショナリズムについての知見を導き得るものまで様々です

*2:この本を読んだ上で言及している関係上、コメントの大体は受け売りですw