- 作者: 吉見俊哉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: 新書
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一方で、日本の家電技術と伝統的美意識などを結び付けるような技術主義的なナショナル・アイデンティティの構築についても言及がなされていたので須賀、その出典の多くが松下電器に関するものであったことは多少気になりました。あまりイメージだけで言い立てるのも好ましくないとは思いま須賀、日本の家電業界全体の傾向のみならず、松下電器という個別の一企業の問題*1として検討していく価値は十分にあったのではないかと思います。
好きか嫌いか。この本の中でなされていたのは、わかりやすいけど危うさも潜むこの二分法を超えるための「解体作業」だったように思います。アメリカが今後どう認識され、語られていくのか。そのことを考えていく上で、歴史を知るという面でも方法論の面でも有益な議論なのではないでしょうか。もちろんその問いは、もはや、と言うより室伏高信が「アメリカ的でない日本がどこにあるか」と喝破した80年以上前から、アメリカだけに関するものではありません。
*1:悪いと言っているわけではなくて