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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『テレワーク大全』(日経BP総合研究所イノベーションICTラボ)

 

テレワーク大全

テレワーク大全

  • 発売日: 2020/06/04
  • メディア: Kindle
 

テレワーク推進に必要な準備やノウハウ、先進企業の事例などを紹介する本です。内容的に「大全」というよりは、雑多な内容を含むTips集という表現の方が近い気がします。

「テレワークあるある」的なコーナーなど、勉強になった点も多くありましたが、一番印象的だったのは事例紹介の部分でした。テレワークを推進している複数の企業リーダーや責任者が、インタビューの中で「全てテレワークにすればよいわけではない」「テレワークにも課題があり、解決策を模索している」などと述べています。そして、これらの企業は新型コロナ感染拡大前から、働き方改革に向けた試行錯誤を重ねていました。

「外出自粛だからとにかく在宅勤務だ」では、「コロナ後」は「仕事は会社で」に逆戻りするだけですし、各人の働き方や会社の生産性を改善していくことには繋がっていかないでしょう。働き方を多様化していく、時間外労働を減らしていく、日々のワークフローに新たな刺激が加わる仕掛けを取り入れていくー。そうした取り組みのための有力な一手段として、テレワークを位置付けることが重要なのだと感じました。

 

私個人としては、4月以降、社内で最も在宅勤務を利用したうちの一人に入ると思っています。この時期に妻の出産があったこと、上司の理解があったことなどいくつか理由はありま須賀、個人的に最も大きかったのは、その少し前に起こった「案外テレワーク出来ちゃうじゃん」体験でした。

今年の1月、九州の祖母が体調を崩し(一時的にかなり危険な状態に陥り)、急遽病院に駆けつけました。確かそれが月曜日でした。当時は外部に対する締め切りを複数抱えていたため、仕事道具を抱えて飛行機に乗り込みました。

当然、現地では祖母の見舞い(当時は、サポートと言えるほどのことができる容体ではありませんでした)を最優先に過ごしたわけで須賀、空いた時間を活用して提出物を準備し、お客さんの問い合わせにも対応していました。それで1週間、最低限のことは出来てしまったんですよね。こういう場合に仕事を誰かに引き継げるようになっていなかったというのは大きな反省点ではあるので須賀、遠く離れた場所からでも、できる仕事はたくさんあることには気付かされました。そこが私の原点だったように思います。

もちろん、テレワーク一本で働くデメリットも感じました。この本にもあるように、最大の課題は同僚とのコミュニケーションでした。わざわざ電話やメールをするほどのことではないけれど、なんとなく感覚を聞きたいことや知っておいてほしいことはあります。仕事を頼もうとしている相手がどのくらい忙しいのか、翻って自分の状況を相手は分かってくれているのかー。チャットツールも活用して、「今日は余裕がありますよ」「今週は急ぎが多いからそちらを優先させてください」といったニュアンスを匂わせるよう努めてきたつもりで須賀、対面でやるほど上手くはいきません。そのせいか、4月以降は平均して週1で出社していましたが、大抵その日は打ち合わせや相談事が重なり、退社時間が遅くなってしまうことが多くありました。チャットや電話でよく話す同僚も、やはり私の顔を見たら見たで、対面で話したいことがあるような雰囲気でした。対面とテレワークを上手く併用し、またテレワーク時のコミュニケーションの取り方について事前に話し合っておくことで、復帰後も「いいとこ取り」をしていきたいと思っています。

私にとっては1月の急な帰省でしたが、4月以降の状況が初の本格的なテレワーク体験だった人も多いのだろうと思います。それを働き方改革の選択肢としてどう練り上げていくか、改革全般にどう位置付けていくかが、「ニューノーマル」とされる今こそ、求められているのでしょう。

 

 

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