かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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信長の「奇妙な」ネーミングセンスとキャパオーバーの帰蝶/「麒麟がくる」二十一話

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日本史上最も有名な「ジャイアントキリング」の一つである桶狭間の戦いを、多彩に描き出し、かつ上手に説明していた思います。

まず、おなじみの「敦盛」をうまく絡ませて信長の心境を表現していましたね。そこで鼓を打っていたはずの帰蝶は、側室が長男・奇妙丸(のちの織田信忠)を生んでいたことを突然知らされたショックもあってか、終始キャパオーバー気味でしたが、その様子も上手く演じられていたと思います。

ちなみに、信長が息子たちにかなり変わった名前を付けたこともよく知られていますね。「奇妙」は恐らく我が子を見た素直な感想で、「茶筅」(のちの織田信雄)は信長の茶の湯への関心からのネーミングなので生姜、「三七」(のちの織田信孝)とは一体…?

ドラマでは、奇妙丸を見せられた時の帰蝶の表情が凄まじかったで須賀(ああいうの好きです)、桶狭間のタイミングでは弟の茶筅、三七も既に生まれており、それを帰蝶が全く知らなかったというのはさすがになかったろうと思います(笑) それにしても、最後に信長が光秀に語った「帰蝶は母親のようだ」という言葉が、「10年子供ができなかった」理由を示唆しているようにも見えて、現代人の感覚ではありま須賀やるせない気持ちになってしまいました。

脱線話が長くなってしまいました。家康の葛藤と決意のサボタージュも、迫真の演技でした。前回触れたように、ドラマでは完全な「今川方」として振る舞っていた鵜殿長照も、三河ゆかりの武将なんですけどね。

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そして毛利新介。今川義元に飛びかかったシーンは華麗でした。史料によっては、新介は義元の首を獲った際、指を義元に食いちぎられた、とするものもあります。こうした群像の躍動感ある演技が光っていました。

 

また、合戦の「説明」という点でも、過不足なくできていたのではないかと思います。天候、地形、一方の慢心など、この大番狂わせの要因は色々と語られてきていま須賀、本作は「兵力の分散と集中」という観点を押し出していると感じました。孫子兵法によく出てくる、「敵の兵力は分散させ、味方の兵力は集中させる」という手法です。

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信長公記」を見る限りそういう風には書かれていないので須賀、信長本隊の奇襲に先駆けて別働隊200人が仕掛けた攻撃が、今川本陣を手薄にするための陽動作戦のように描かれていた点も、製作陣の意図を裏付けているのではないでしょうか。その意味では、「純然たるまぐれではなく、信長は勝つべくして勝った側面もある」ーそういう解釈なのだと理解しています。

…今日は見どころが多すぎて、書きたいことも書ききれなさそうです。

 

残念ながら、ひとまずここまでで放送中断とのことです。本当に楽しみに見ているので、また態勢を整えて、再開されるのを楽しみにしています!

 

 

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