かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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最後は武田勝頼を頼った土岐頼芸/「麒麟がくる」十三話

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斎藤道三・義龍父子の激突や有名な正徳寺の会見など、見どころの多い回でしたね。会見における信長側のプロデューサーは帰蝶だった、というのは今作ならではの演出で生姜、伊呂波太夫にお金をチラつかせる時の表情といい、川口春奈の好演技もあって違和感ないストーリー展開になっていたと思います。

自死した平手政秀については、「うつけの信長」に対する諫死というこれまた有名な説とは違う説明の仕方がされていました。個人的には平手政秀は(「バカ殿」に悩まされる)桑マンのイメージだったので須賀、そういう筋書きにしなかった点、そして今回あってもおかしくなかった織田信秀の葬儀のシーン(ラフな格好で現れた信長が焼香を投げつける)をやらなかった点などを考えると、あまり「うつけ」イメージを強調しないのが今作の方針なのかもしれません。

 

最後に、嫌われ者の道三に追い出された土岐頼芸のその後について。彼は血縁関係にあった六角家が拠点とする近江など、諸国を点々としながら、最終的には甲斐の武田勝頼を頼ります。その過程で、視力を失ってしまっていたそうです。武田家としても、お互い甲斐・美濃の守護の家柄であり、源氏の流れを汲む間柄でもありますので、頼芸を庇護することは、領有する信濃の隣国である美濃に影響力を及ぼす上での大義名分になり得ますから、「持っておいて損のないカード」だったのでしょう。

しかし、その武田勝頼は1582年に信長に滅ぼされます。その際に頼芸を保護して美濃に連れ帰ったのが、ドラマにも出てきている旧臣の稲葉一鉄だったとのことです。道三に美濃を追われて30年。その間の時代の激変を、晩年の頼芸はどう感じたでしょうか。

 

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