かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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登場人物に刻まれた「三河者」の悲哀/「麒麟がくる」二十話

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桶狭間の戦いの前哨戦と、松平元康(徳川家康)らの逡巡を描いた回でした。

合戦前に於大の方から元康に翻意を促す手紙が送られたとか、ましてやそこに明智光秀が一枚噛んでいたとかいう話は聞いたことがありませんが、元康をはじめとする三河勢が、周辺勢力に翻弄され続けていたことは彼の幼少期を見れば明らかです。例えば、ドラマで無邪気に家康を褒めちぎっていた鵜殿長照も三河ゆかりの武将で、桶狭間後は今川家との血縁関係故に今川方として家康と対立し、敗死しています。

もっと非業の死を遂げたのは於大の方の兄・水野信元でしょう。長篠の戦いの翌年、武田方に内通したとの嫌疑を信長にかけられ、甥の家康によって殺害されてしまいます。よく知られているように、家康の嫡男・松平信康も同様の嫌疑で切腹を命じられていますね。

駿河の今川家の、そして桶狭間後は尾張織田家のジュニアパートナーとしての役割を演じざるを得なかった三河者の悲哀が、今回の登場人物たちの人生にも刻印されているかのようです。

ちなみに水野信元の実子には、徳川秀忠・家光政権下で老中・大老として重きをなした土井利勝がいるのですね。これは知りませんでした。

 

 

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