かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

『「大日本帝国」崩壊』(加藤聖文)、『侵略神社』(辻子実)

 

「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書)

「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年 (中公新書)

 

台湾、朝鮮半島中国東北部満州)、樺太・千島、南洋…。遅れてきた植民地帝国・大日本帝国がどのように崩壊していき、現在につながっているかを地域別に追った本です。どのように戦闘が停止され(あるいはされず)、治安維持をはじめとする権力が移行され、「大日本帝国臣民」であった植民地出身者たちが帝国から切り離され、「内地」と呼ばれた日本列島出身者が引き揚げていったかー。それぞれの地域の事情を丹念に述べています。

個別の経緯についてこの場では詳述はしませんが、朝鮮半島といい中台といい、74年前に起こった帝国の崩壊が、現在の東アジアの政治に大きな爪痕を残している点はやはり印象的でした。誰のどんな判断が、今にどんな影響を与えているのか。良し悪し以前の問題としてそれは知るべきだと思いますし、その知識は、今を知る上でも必要なものだろうと感じました。

まあしかし、この時期のソ連の所業はやはり非常に目立ちますよね。感情的かもしれませんが… 

侵略神社―靖国思想を考えるために

侵略神社―靖国思想を考えるために

 

こちらは朝鮮神宮、奉天神社、昭南神社(シンガポール)など、そうした「大日本帝国」の版図に建てられた神社を扱った本です。かなりエッジの立った論調の本ではありま須賀、特に最初の図版が興味深かったです。

関連のこちらの本も面白そうですね。手に取ってめくってみたいです。

www.kokusho.co.jp

 

ブログランキング・にほんブログ村へ