かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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桜島が噴火して驚いたのはジョン万次郎だけ/『西郷どん』第六話

第六回「謎の漂流者」|NHK大河ドラマ『西郷どん』
斉彬との相撲後、牢屋に入れられた西郷吉之助は、実は「謎の漂流者」の心を開かせる密命を帯びていたのでした。西郷家の面々や大久保正助の助けで目的を達することができ、後にジョン万次郎と呼ばれた彼は、外国での見聞を斉彬に直伝。これが薩摩藩の近代技術の発展を支えます。一方、大分話は変わりま須賀、岩山糸(黒木華)の恋心は実らず、吉之助、糸ともに別の伴侶と結ばれることになりました―というところがあらすじでしょうか。
ジョン万次郎と斉彬に接点があったのは事実のようです。彼の曽祖父で蘭癖大名として名高い*1島津重豪シーボルトと、新井白石はシドッチと会見し、西洋の事情を尋ねていますので、藩主のような地位の高い人間であっても、知的好奇心さえあれば外国人やその文化をよく知る者と直接接することは厭わなかったのでしょう。書きながら思い出しましたが、織田信長も奴隷として献上された黒人男性を気に入って家臣にしていますね。
歴史ドラマとすれば、今回は薩摩藩の近代化と(ちょっと史実より早いようで須賀)吉之助が斉彬に認められていく契機、というあたりでしょうか。恋愛ドラマとしてはコテコテでこちらも思わず笑ってしまいましたが、糸が言っていたように「桜島が噴火して驚く」のは、今回登場した人物の中ではジョン万次郎くらいではないでしょうか。

*1:そのせいで藩が莫大な借金を背負い、調所広郷による荒療治がなされる