- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1950
- メディア: 文庫
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でも個人的にはそういうある種の言葉遊び的なところとか、嫌味かも知れないけれどもペダンなところは嫌いではないです。これはこの作品に限らず、私が断片的に受容した漱石から受けている印象なので須賀、大抵そうした漱石の主人公たちは今で言うニートだったり、社会的にうだつの上がらない地位だったりしながらも、それでも気位は失わずに、かつ偉ぶるわけでなく知的に誠実に悩み抜こうとしているように見えます。それを自分に重ねているつもりはあまりありませんし、あまりそういうことをする意味も感じないんですけれども、気位、あるいは精神的向上心を失わずにいればまだまだ楽しく頑張っていけるんじゃないかと思わせてくれます。
漱石没後100年の年が暮れる直前に、酒に酔って書いてしまいましたが、少なくとも私はこの『草枕』から元気をもらった気がします。
*1:主人公が「非人情」と称して英語の文学作品をデタラメなページから読み始める一節などは象徴的です