- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 文庫
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翻って『夢十夜』なんかは、「漱石の深層心理だ」なんて話で、一生懸命フロイトで解釈しようとしている人もいらっしゃるようで須賀、期してか期せざる結果か、いろんな解釈ができて、そこからいろんな想像ができるところがいいんだと思います。その代表例としての第七夜は、これが夏目漱石という作家の『夢十夜』という短編集の中の一編であるという事実以上に有名なのではないでしょうか。井上陽水について言ったことがあるかもしれませんが、解釈の可能性が開かれた作品って、芸術と言うべきか、少なくともコミュニケーションの性質を象徴的に表しているような気がして私は好きです。「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」とかも好きなんですけどね。
ものをゆっくり考える時間というよりは、そうするだけの精神的余裕が欲しいです。柄にも似合わず時間管理的なものにあこがれた日もありましたが、多分徹底的に管理された時間が幾ばくかひねり出されたとしても、楽しい妄想の時間にはならない気がするのです。