- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/02/15
- メディア: 文庫
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彼女の翻訳者としての体験を「職業倫理に反しない程度に」紹介したものが多くを占めており、その中でもやはりエリツィンにまつわるネタは圧巻(笑)だったので須賀、そういう政治指導者などの「一流どころ」だけではなく、テレビクルーの取材や会社の商談など、実に様々な「第一線」をフィールドとし、見聞きしたことを肥やしにできるというのは純粋に楽しそうだなあと感じました。
そのエリツィンについて。ノヴォデヴィチ墓地を訪ね、ロシア国旗を模した彼の墓を見たときには、旅行記にあるように「ソ連崩壊直後のロシア連邦の率いた人だからこういうお墓なんだろう」程度の、極めて表層的な理解で片付けていたわけで須賀、この本で彼の飲みっぷりから人柄までを知って感じたのは、彼がなんだかんだ言って国民の少なからずに愛された側面があるのだろうということです。その一方で、国際的には人気者だったりするゴルバチョフは、ちょうど小泉元首相が自民党内ではなく世論の支持に依拠したように、国内ではなく国際的評価に依拠する姿勢を脱しられなかった*2ため、国内では好かれていないのだ、と著者は論じており、それにはなるほどと頷かされました。
さっきちょっと触れたように、著者はソ連崩壊期にモスクワに駐在した各報道機関の記者とも交流があったようです。ま、興味ないかwww