- 作者: 村瀬興雄
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1968/02
- メディア: 新書
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その東方拡大政策や反ユダヤ的政策への志向が第一次世界大戦期の第二帝国にも見られたことや、そもそもヒトラーやナチスが当初からそうした発想を明確に持っていたわけではないといったことからそうした見解を跡づけており、興味深く読むことができました。ただせっかくなので、彼らが如何にして政権を獲得するに至ったのか、その経過についても触れて欲しかったです。確かに著者も指摘しているような「特定の政治勢力のみならず、少なからずの国民の支持があったればこそ…」という部分を浮き上がらせるためには、その時期の歴史を紐解くことこそが有益だと思いますし、それは現代への「鑑」ともなるはずです。
*1:より大衆扇動・動員といったものに特化した近い趣旨の議論としては『大衆の国民化』(ジョージ・L・モッセ)といったものもあります