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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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脱原発は大いに結構。ただ、「劇場型」はちょっと…/細川元首相、都知事選に出馬表明

都知事選>元首相、脱原発タッグ 細川氏が出馬表明
猪瀬直樹氏の辞職に伴う東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)を巡り、細川護熙(もりひろ)元首相(76)が14日、脱原発を掲げ、「立候補する決断をした」と表明した。脱原発で一致する小泉純一郎元首相(72)が細川氏を支援する考えを明らかにした。舛添要一厚生労働相(65)も同日、記者会見し立候補を正式に表明した。細川氏の出馬表明で構図は一変し、脱原発が最大争点の選挙戦となる見通しになった。
細川、小泉両氏は東京都内のホテルで約50分間会談した後、そろって記者団の取材に応じた。
細川氏は出馬を決めた理由について「日本のさまざまな問題、特に原発問題などについて国の存亡に関わる問題だという危機感を持っている」と説明。「原発の問題は知事として非常にやりがいのある仕事だ。全力でやる」と強調した。
細川氏は17日、正式に出馬会見を開く考え。政党の推薦を受けず、無所属で立候補する意向を固めている。民主党は推薦などを出さず、実質的に支援する意向だ。
細川氏は2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、脱原発に転換する可能性について模索。昨年9月から、原発政策について詳しい関係者と意見交換を続けていた。細川氏に近い関係者の一人は「小泉氏と連携するなら、再稼働をしない『原発即ゼロ』でなければならない」とアドバイスしたという。
小泉氏とは昨年10月21日、会談。小泉氏はこの会談について「この国の形をどうするか、特に原発問題で共感できる面がたくさんあった」と説明したが、周辺によると、猪瀬氏が都知事を辞職した後、細川氏都知事選で脱原発を争点に掲げる候補者擁立を探り始めた。しかし引き受け手は見つからなかった。すでに細川氏出馬の公算となっていた今月12日、妻佳代子氏は熊本市内で記者団に「最初は(出馬要請を)固辞するということだった。『やってくれ』と言われて、退けなくなったのではないか」と明かした。
ただ、実際の出馬表明にあたってはインパクトの強い小泉氏との連携が不可欠と考えていたようだ。細川氏周辺は会談の設定を探り、14日に実現。「強力な支援」を求める細川氏に小泉氏は応じ、記者団に「演説会、さまざまな会合があると思う。私が出ていいなら、細川支持を訴える」と語った。
一方、安倍晋三首相は訪問先のアディスアベバで記者会見し、東京都知事選について「都が直面する諸課題についてバランスよく議論され、充実した選挙戦になることを期待したい」と述べ、原発政策に焦点が集まることを改めてけん制したが、小泉氏は会談後、記者団にこう言い切った。「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないんだというグループとの争いだ」【光田宗義、竹内良和】
   ◇
都知事選では舛添氏、細川氏のほかに前日弁連会長の宇都宮健児氏(67)▽元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)▽発明家のドクター・中松氏(85)らが立候補を表明している。
(1月14日、毎日新聞)

歴史や公民の教科書に名を刻む(だろう)2人の首相経験者の揃い踏みというのは見ていてワクワクさせられますし*1、政治がズルズルと原発依存に立ち戻ろうとしている今、「脱原発、YesかNoか」という問いかけは非常に分かりやすく、そして何だかスッキリした気分にさせられます。それでも、今回に関しては―それが自身の利害に結び付いた発言であるにしても―「都が直面する諸課題についてバランスよく議論されるほうがよい」という安倍首相の言い分の方がマトモだと思います。多くの人が指摘しているように、これこそまさに「小泉劇場」の再来であり、単一争点化した「郵政選挙」の再来です。
私は、エネルギー政策は都知事選の重要な争点になり得ると考えていますし、「原発は重要な電源だ」などとする現政権の立場には明確に反対です。ただ、それだけで選挙をやっちゃあいけないと思います。幸い今回の都知事選は、比較的選択肢に恵まれているのではないかと拝察します。細川元首相は知事経験もある人で、これから総合的な政策を発表するとのことですし、まさに「都が直面する諸課題についてバランスよく議論され、充実した選挙戦になることを期待したい」と思います。
しばらく国政選挙が予定されていない中での首都決戦ということで、どうしても(私を含め)政局的な注目の仕方をしてしまいがちで須賀、第一義的には、東京都の政府の長を決める選挙です。

*1:正直に告白すると、私はかなり興奮しました