- 作者: 本郷和人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 新書
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実はこの本はそうした事例の紹介や検討に紙幅のかなりの部分を費やしていて、天皇や皇位継承の問題に割かれているのはわずかだったりするので須賀、全体を俯瞰すると「世襲で成り立ち、あるいは安定性を保っている勢力がわざわざ世襲の親玉を駆逐したりしないよね」というロジックに支えられているということがわかります。加えて、「万世一系というのも結果としてそうなったという話で、『血より家』の原理の卓越から考えても、もともとそうすべしという発想があったわけではない」とも。
良くも悪くもコテコテの天皇論を意図して書かれた本ではありませんが、事例で出てくる人物を知っているかを問わず、歴史好きには楽しい一冊だと思います。