現場を離れて久しい新聞記者のブログ。 読んだ本の紹介や旅行記(北朝鮮竹島イランなど)が中心です。 ブログランキング・にほんブログ村へ

『天皇はなぜ万世一系なのか』(本郷和人)

天皇はなぜ万世一系なのか (文春新書)

天皇はなぜ万世一系なのか (文春新書)

中世の仏教界や公家・武家の世界から様々な事例を紹介しながら、その世襲原理の強固さを論じた本です。
実はこの本はそうした事例の紹介や検討に紙幅のかなりの部分を費やしていて、天皇皇位継承の問題に割かれているのはわずかだったりするので須賀、全体を俯瞰すると「世襲で成り立ち、あるいは安定性を保っている勢力がわざわざ世襲の親玉を駆逐したりしないよね」というロジックに支えられているということがわかります。加えて、「万世一系というのも結果としてそうなったという話で、『血より家』の原理の卓越から考えても、もともとそうすべしという発想があったわけではない」とも。
良くも悪くもコテコテの天皇論を意図して書かれた本ではありませんが、事例で出てくる人物を知っているかを問わず、歴史好きには楽しい一冊だと思います。