大津中2いじめ自殺 学校はなぜ目を背けたのか (PHP新書)
- 作者: 共同通信大阪社会部
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/03/17
- メディア: 新書
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こうした話に接して一番感じるのは、やはり「どうして死という手段まで選ばねばならなかったのか」ということです。「誰も自分の思いを分かってくれない」という絶望に駆られてしまう―と表現すべきか、現実にはその子に寄り添っているつもりでいる/寄り添いたいと思っている人が身近にいたとしても、その人とのボタンの掛け違いが孤立感を与えたような状況が見受けられるケースは、この本でも複数紹介されています。社会人や大学生といったライフステージと比べれば、所属ないし関与する世界が少なく*1、学校という場の磁力が強烈であることは容易には変わらないでしょう。しかし、学校に通う子供たちにより多くの「居場所」があれば、(もちろん学校でいじめを受ける状態の解消が第一義的に目指されるべきで須賀)学校での人間関係を相対化しやすくなるでしょうし、自分が置かれた立場や心境を訴えられるような大人や友人も得やすくなる。これはこの本の中で出てくる取り組みとも共通する発想だと思いますし、いじめ自殺の問題のみならず、長期的にはそういった環境が子供を取り巻いていくことが好ましいのではないかと感じました。
*1:そのため「誰もわかってくれない」との想念に襲われやすいと思われる