【目次】
ヒトはデジタル社会向けに進化していない
著名なスウェーデンの精神科医が、スマホの人間の脳や精神状態への影響を紹介した本です。
ごく簡単にまとめると、
人間の身体や脳は狩猟採集時代に適応した進化を遂げており、現代社会には必ずしも適していない。特にSNSには脳の報酬系に刺さる中毒性があり、スマホはそこにあるだけで人の集中力を削ぎ、睡眠やメンタルヘルスに悪影響を与える(特に子供)。よく眠りよく運動し、社会的な関係を構築してスマホの使用を制限することが、人々を健康にする。
などと述べています。
確かに進化の過程を考えると、私たちが生物としてデジタル社会に適応した特性を獲得することは現実的ではありません。であるからこそ、素晴らしい実現可能性を持った技術をどう使うか、どんな技術にしていくかは人間社会全体の課題ですし、どんな製品を買ってどのように使い、あるいは子供に与えるかが一人一人の問題であるはずです。
スマホは本当に便利な代物です。現に今もスマホから記事を投稿しようとしているので須賀、その影響についてしっかり知り、ポリシーを持って使い・子供に使ってもらうことが大事だと実感しました。
日々の実践こそ
…というのはごく正直な感想で須賀、「言うはやすし、西川きよし」的な言辞の典型例でもあるでしょう。だからこそ、この本も世界的ベストセラーになったのだと言えます。
それでも、ここまで日常生活に溶け込んだものとの付き合い方を長期的に変えていくのは、まずは日々の実践なのだろうとも思います。個人的経験でも、著者に言い当てられたことはいくつかありました。在宅勤務の合間のサイクリングは本当に爽快で、最初の10キロ(笑)くらいは誇張抜きで「幸せな生活だ」と感じながらペダルを漕いでいますし、確かにFacebookは見ていてしんどくなることも正直あるので最近避けていました。
仕事がデジタルなのでドラスティックなことはしにくいですけれども、保育園の送り迎え代わりの散歩と、SNSアプリの位置を「格下げ」するくらいはやってみようかなと思っています。