かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『ろくでなし三国志 本当はだらしない英雄たち』(本田透)

三国志を主に孔明陰謀論の視点から、著者なりに想像した内容を開陳した本です。著者自身が「個人的に「三国志」って実はこんな風に読むこともできるのではという自分の妄想を掲示する読み物」と最初に断っていま須賀、実際問題その域を超えるものではありません。
ただまぁ三国志が好きな人なら、結構エンターテイメントとして笑って読める部分が多いんじゃないかと思います。個人的には著者の書く文章にあるその勢いが、著者が「妄想」と呼びながら述べ続ける仮説の論証責任をごまかしているように見えてならないので須賀、そもそもが論証責任を果たすことを目指した本ではなさそうです。その一方で、この本がその列に入るかどうかは別として、じゃあ羅貫中の「三国志演義」や陳寿の「正史三国志」だって、どこまで信憑性があるの?という問題提起は、言われてみれば当然ながらご説ごもっともということになるのかもしれません。
結論として言えば、原稿用紙の上に抜いた鼻毛を並べて、満足そうに息を吹きかけながら読むくらいがちょうどいいかもしれません。個人的にはかなり笑いました。