かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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中国周遊記五日目・泰山山登り!

「聖山」泰山を登る

朝食バイキングktkr

今日は一日かけて、古くから聖山と呼ばれた霊峰・泰山に登ります。朝は8時15分に起きて、身支度もそこそこにホテルの1階へ。実はこのホテル朝食バイキング付きなんですね。そんなわけで来るべき山登りに備えて、朝からガツ食いさせていただきましたww 普通にちゃんとした朝食バイキングでとてもおいしかったですよ。ちなみに行きのエレベーターでゴルフが云々と話している中年の日本人男性二人と遭遇しました。

初の日本人旅行者に出会う

部屋に戻って支度を整えたのが9時半。またエレベーターに乗って下へと降っていると、二人組の若い男性が。なーんか日本人っぽい格好だなぁと思って見ていると、背の高い方の男性がこう切り出しました。
男性「日本の方ですよね?」
Kくん「はい、そうですよ」
もう片方の男性「ですよね、シャツに「ご」って書いてあったから日本人ちゃうかと思って」
そうなんです。Kくんはこの日たまたま、「日本ではなかなか着られない」「ご」と大書されたTシャツ*1を着ていたのです。それで話を聞いてみると、昨日の夜中に北京から列車で着いた彼らも、これから泰山に登りに行くということ。じゃあせっかくだから一緒に…と言いたいところだったので須賀、私たちは翌日の北京行きの切符を買わなければならなかったので、泰山での再会を期していったん別れることになりました。
泰山駅には10時頃に着き、北京行き列車の切符を70元で購入しました。今回はKくんが駅の検索機で列車を検索し、私が列に並びながら電光掲示板で空席状況を確かめるという周到な(?)連携プレーですんなりと切符を買うことができました。そこで気づいたんですけど、各列車について「席なし」というチケットが売られているんですね。昨日のマリベル様たちはその切符で列車に乗っていたのでしょう。

登山の前に岱廟にお参り

そして泰山の玄関口とでも言うべき岱廟に着いたのは11時15分。岱廟というのは泰山へ続く道の南の入り口にある廟で、戦国時代*2から泰山の神が祀られていたのだそうです。そして中国の歴代皇帝は、この岱廟で封禅の儀式を済ませなければ皇帝とはみなされなかったとか。そんな恐れ多い廟を合計(笑)21元払って見学することにしました。ここでは正陽門、配天門、秦の丞相李斯によると言われる石碑など、非常に価値のある史跡群を見ることができましたが、なにぶん先を急ぐもので目を通すぐらいにとどめました。



写真は上から正陽門、後宰門から見る泰山、三国無双のステージ(嘘)で須賀、真ん中の写真を見てください。私たちはこれからあれに登らなければならなかったわけですorz ちなみに写真を撮ったあたりで水を3元で買いました。そろそろ観光地価格ですね。

中国の聖山で「オレ、トーダイ!!」

そしてついに泰山登山です。入口でチケットを売っていたので須賀、学生割引があるということでもちろんチャレンジしてみました。
私「オレ、トーダイ!!」*3
切符売り「じゃあ60元(これで半額ってのも高いですよねorz)」
見事成功しましたwww ホントは国際学生証が要るんでしょうけどw

中天門までゆうゆうと…

12時過ぎに入場し、二人はすたすたと歩き始めました。山道は山道と言いながらちゃんと舗装はされていて、道沿いには小物やら飲み物やらを売っているお店が結構ありました*4。二人とも特に急いではいないので須賀、結構な勢いで人を追い越していきます。「なんだ、こんなもんか」と内心思いながら、さらに進んで行きました。この時の登山路はこんな感じでした。

まぁさすがにずっとこれでは1500メートルも登れません*5ので、途中からは石段が増えます。石段だけに足への負担を少し感じながらも、1時45分には中継地点の中天門まで着くことができました。それまでにスポーツドリンク(5元)と、水(3元)をそれぞれ購入しました。
中天門ってのはその名の通り門なんで須賀、山の下まで行けるバスのターミナルがあったり頂上近くまで行けるロープウェイがあったりと、まさに泰山登山における中継地点となっています*6。そこの食堂で10元の焼きそばを食べました。この焼きそばおいしいとは思うので須賀、なんでこんなに油っこいのかorz 最後はお皿をずらして油をよけながら食べましたw そのあと水を5元、鳥の鳴き声みたいな音のする小さな笛のおもちゃを1元で買って、それをピーピー鳴らしながら出発したのが2時20分頃でした。

ちょwwっww石段www

…そして歩き始めた私の眼前に、延々と伸びる光景がこれです。

ひたすら石段です。しかもこれ一段一段の幅が小さいんですね。私は足のサイズが27.5センチくらいあるので須賀、まっすぐ登っているとかかとが石段に乗りません。なので二段飛ばしで登ろうとするんですけどそれにはちょっと大きい。しかもかかとが宙に浮いているわけですから非常に不安定です。これは疲れの溜まってきた足には堪えましたねorz 途中からガチで身の危険を感じて、手すりに掴まりながら先の見えない石段を登り続けました…
ちなみに写真のおじさんたちは、上のほうで売るための飲み物や何やらを運んでいました。その気力と体力には本当に敬服です。

天街の街並み(?)と頂上の絶景

そしてなんとかかんとか南天門にたどり着きました。ここからはアップダウンもなだらかで、周りの景色も賑やかになってきたので楽しく歩くことができました。お店や宿が立ち並ぶ天街に着く頃にはすっかり息も整い、標高ゆえの涼しさも感じられましたね。ちなみにこの辺で下で買ったのと同じスポドリ8元で買ったので須賀、もうここまでくると飲み物も日本並みです。

写真は天街のメインストリートから少し外れたところにある断崖絶壁から撮った天街の様子です。この絶壁ではKくんがギリギリの岩場まで行ってガッツポーズをしていましたが*7、あいにく私にはその勇気はなく、自重することにしましたw
話とルートを本筋に戻しましょう。天街のメインストリートをさらに進むと左手側に孔子廟があり、何人かの人々がそこに参拝しています。でも「参拝」と言っても日本人が想像し、また実際に行うような形式ではもちろんなくて、彼らは孔子に対して三跪九叩頭の礼をとるわけです。これは南京の夫子廟でも見た光景だったので須賀、神仏に対して立ったままの礼しかしたことのない私から見ればやっぱりスゴイ、というわけで一枚失礼してしまいました(汗)

この女性実は結構若そうな風貌をしています。服装からも多少お分かりかと思いま須賀…
さてさて、そうこうしながら歩いているうちに「やっと」なのか「もう」なのか、泰山の頂上である玉皇頂に到着しました。ここの標高は1545メートル、到着時刻は4時45分前後です。玉皇頂には「泰山極頂」と彫られた石碑があり、その周りで煙を焚いています。絵馬らしき南京錠もたくさんありました。まぁこんな感じですw

そしてその頂上では、なんと出発前に出会った日本人二人組と偶然にも再会することができました。そこでせっかくだからと下山後に四人で夕飯を食べる約束をし、再び別れることにしました。約束は8時にホテルのロビー。中天門までロープウェイで行けば*8そう難しい時間でもないはずです。
その後は眼下に広がる絶景をパシャパシャとカメラに収め、まさしく毒にも薬にもならない写真でデジカメのメモリーを食い潰しながらあたりを歩き回っていました。え、見たいですか?仕方がないなぁwww


…もっと写真を撮る練習もしたいですねorz
ちなみにこの辺りで1元の数珠を買いました。腕に巻けるサイズのちゃっちいやつなんで数珠っていうのかどうかよく分かりませんが、それ以来大概身につけています。

中天門まではロープウェイで

それから、南天門まで来た道を戻ってロープウェイ駅へ向かいました。で、駅そのものには6時に着いたので須賀、ロープウェイの終了時間が迫っていたため駅が混み合い、ロープウェイに乗れたのはその30分後でした。45元っていうのは高いといえば高いんで須賀、時間の節約と程ほどのスリルを得られたことを考えるとそう悪くはなかったんじゃないでしょうか、ってかあの石段を下るとかあり得んってww それにしてもロープウェイの駅にまで「和諧」とか書かなくてもいいんじゃないんでしょうかw
ロープウェイは中天門に着き、そこからちょっと方向を間違えた(藁)あと歩いて下りました。そして皮肉なことに、この日のベストショット(風景編)は頂上付近ではなく、その道中で撮られたものとなったのでした。

これはまあまあですよね?w

旅先での出会いと反日食堂

「こんばんは、お疲れ様です」

私達がホテルに着いたのは8時15分でした。つまり約束の時間には間に合わなかったので須賀、頂上で念のため聞いていた彼らの部屋も無人だったので、ホテルのロビーで彼らを待つことにしました。ホテルのロビーの隅のほうのソファーに腰掛け、二人で談笑しながら彼らを待ちます。前方にはお土産物屋らしいコーナーが見えました。そこに何となーく視線を向けながらKくんと話していると…
おじさん「こんばんは、お疲れ様です」
私・Kくん「(ry」
なんとお土産物コーナーの入口付近に座っているおじさんが、私たちに日本語で話しかけてきたのでした。彼は50代くらいの中肉中背の男性で、髪は黒く黒縁のメガネをかけていました。私は一目見た瞬間「江沢民!」と思ったので須賀、よくよく見れば江沢民よりなかなか柔和な顔つきをしています。話を聞いてみると、彼は日本に行ったことは一度もないものの、10年ほど前から日本語のラジオや日本ドラマのDVDを見ることで日本語を勉強しているとのこと。そして彼の娘さんは近々、日本の大学に行くことが決まっているのだそうです。もちろん日本人と区別がつかない、というほどではありませんが、日本語でほとんど滞りなくコミュニケーションが取れる彼の日本語力には感嘆させられました。ちなみに彼が見て勉強しているというポータブル式のDVDプレーヤーを見せてもらったので須賀、ちょうどキムタク主演のドラマが流れていました。「ちょ待てよww」とか教えてあげればよかったですかねwww

日本人表に出ろ

そんな話をしているうちに二人も到着。一度部屋に戻って荷物を置いてから、今度は五人で話をしました。
そして…
私「どこか夕飯食べるのにいい場所があったら聞きましょうよ」
男性「そやね〜」
Kくん「今からご飯を食べたいんですけど、この辺で安くていいお店を知りませんか?」
おじさん「そうですね。ホテルの店は高いです。外に安くておいしい麺の店がありますよ。そこまで一緒に行きましょうか?」
こうして連れて行ってもらったのがこんな店です。

ちょwwっw日本人立ち入り禁止www しかしおじさんは何の迷いもなくその店に入り、店員になにやら耳打ちをしました。そして私たち四人のところへ戻ってきてメニューの見方を説明したあと、「安くておいしいですから食べてくださいね」と満面の笑みで言い、その場を立ち去ったのでした。それまでてっきり食事に同席してくれるものとばかり思っていた私は、心の中でちょ待てよ!と叫ばずにはいられませんでしたww
ただ入ってしまったものは入ってしまったわけで(藁)、おじさんが店員になんとか話を通してくれたものと信じて席に着き、食事をすることにしました。店はちょっとした軽食堂といった感じで、確かに涼麺も泰山ビールも安くおいしくいただくことができました。まぁ注文のときに「リーベン?*9」と聞かれて頷いたら微妙な顔をされましたけどねw
そこではご一緒したお二人とビールを飲みながら、お互いの身の上話や旅行中の出来事について話しました。彼らはともに社会人で、大学の先輩後輩の間柄なのだそうです。社会人になっても学生時代の友人と付き合えるってなんかいいですね、誰か私とそんな人間関係を築きませんか?お便りお待ちしていますwww あと彼らが乗ってきた列車の話には驚きましたね。列車の座席で子供が大小構わずトイレを漏らしたり、同乗した中国人乗客に中国語を教え込まれたりと、かなり面白いことがあったそうなのです。まぁ雲高*10は勘弁ですけど私もそういう列車に乗ってみたかったなあ… あ、ちなみにここの夕飯はご馳走になってしまいました。ありがとうございました。

「six?」

ホテルに戻ってさっきのソファーの前に行くと、さっきのおじさんがいました。そこで記念撮影をして、私たちもそれぞれの部屋へ。するとまさにホラー映画のようなタイミングで部屋の電話が鳴ったのでした。取ったのはKくんでした。
電話口の女性「〜」
Kくん「…?」
女性「〜」
Kくん「six?」
女性「〜」
Kくん「不要。Bye」
(Kくんが電話を切る)
私「また『マッサージ』の電話?」
Kくん「そうだよ」
私「てかなんでsixとか言ってたの?」
Kくん「なんかいきなりsexとか言い出して、聞き間違いかと思って『six?』って聞きなおしたんだ」
私「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
あちらも大きく出ましたねw それから彼ら二人の連絡先やらを聞いていなかったことを思い出し、Kくんにウイスキーを持ってもらって彼らの部屋にお邪魔することに。そしてそのウイスキーを注いで乾杯し、また話し込んでいるところに、その電話は鳴ったのでした。さっき私達の部屋に電話が来たことは既に話していたので、どういう用件かは大概見当がついています。もちろん取ったのはKくんです。
女性「〜」
Kくん「…。」
女性「〜」
Kくん「six?」
女性「(笑)」
Kくん「不要。Bye」
同じ女性だったそうです。それにしてもどうしてこんないいタイミングで電話がかかってくるのでしょうか。ホテルがそういう業者に、日本人が泊まっている部屋を教えているというのは間違いなさそうです。
彼らの部屋は一時間ほどで辞去して11時半過ぎに部屋に戻りました。そして1時15分ごろ就寝。

木を見て森を見ず?

やっぱりこの日はこのおじさんに尽きるでしょう。10年前から日本語を勉強している、そのきっかけは聞きそびれてしまいましたが、彼は娘を日本の大学にやり*11、こうして日本人旅行客を歓待したのです。彼が私たちをあんな店に案内したのも嫌がらせではないと思います。彼が店員に何といったのかは分かりませんが、それがなければその店で涼麺をつつくことはできなかったはずです。
そう思うと、しつこいようで須賀中国にも、本当にいろんな人がいるんだということをつくづく感じされられます。それはもちろん、この日訪れた日本人立ち入り禁止の店についてもそうです。木を見て森を見ず、とはあまりいい意味で使われる言葉ではありませんが、逆に木を見なければその森のことも分からないのではないか。そんな思いを強くした一幕でした。
さて先を急ぎましょうかwww

*1:なんかDAIの5周年記念のらしいです

*2:もちろん日本のではないですからねww

*3:もちろんそんなこと言ってないしそんなポーズも取ってない

*4:ちなみにそこで汗拭き用のタオルを1元で買いました

*5:泰山の山頂の高さは1545メートルで、登り始めの標高はほぼ海抜0メートルです

*6:つまりバスとロープウェイを使えば難なく頂上近くまで行けるということです

*7:写真もあるけどw

*8:私はあの「残酷な」石段を歩いて降りることを強硬に反対していましたw

*9:日本?

*10:ナツカシスwww

*11:それが誰の意志かという問題もありま須賀