かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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中国周遊記十三日目・上海郊外観光

市の郊外へ―龍華古寺と魯迅公園

朝から実写版西遊記

この日は10時15分に起床し、もそもそと身支度をしながらテレビで実写版の西遊記を見ていました。実はこの実写版西遊記、特に急いで宿を出る必要がなかった日にはチラチラと見ながら身支度をしていたということもあって、この日までには結構おなじみになっていたんですねw ポイントは孫悟空の胡散臭さと三蔵法師のイケメンっぷり、そしてエロオヤジ全開の猪八戒なので須賀*1、その胡散臭い悟空が無駄に強いんですね。まぁかめはめ波とかは出せませんけどww そんなわけでこの日は初めて西遊記を最後まで見て、12時ちょうどに宿を出たのでした。
てかなんでそんなにだらだらしてたのかというと、それには一応理由があるんですねww 当初はそれこそ19日の夜ぐらいに上海に着いて、20日(つまりこの日)は豫園+外灘観光とショッピングくらいでいっぱいだろうというつもりでいたんで須賀、幸か不幸か19日の朝には上海にいたわけなんですよねw そしてショッピングはもう済ませてしまったと。そうするとこの日は、外灘で夜景を見る以外特に予定がなかったわけなんです。じゃあ部屋で夕方までテレビを見ていればいいかと言われるとなかなかそういう判断もできないわけで、「まぁ、やっぱテレビばっか見てないで外に出るか」と思えたのがこの12時という時間だったとも言えるのではないかと思います。

上海で日の丸弁当

さてさて。12時に宿を出た私たちは、上海にしては過ごしやすい陽気の中、上海最大最古の寺院と言われる龍華古寺を目指しました。この龍華古寺は242年に呉の孫権が建立したとされる、上海の中心部からするとやや南の外れにある寺院です。ここは孫権の二文字に釣られたKくんの希望で行くことになったのでした。地下鉄(4元)を乗り継いで1時に最寄の龍漕駅に着き、まずはその近くのほか弁みたいなノリの食堂で昼食をとることにしました。何を食べたいという希望はそのとき特になかったので須賀、

この写真を見て日の丸弁当と勘違いした私は当然の如く(?)それを注文して食べた*2んで須賀、これどう見てもカレーって書いてますよねw ま、そこまで美味くはなかったけどカレー好きだしいっかww ちなみにこの店ではわざと厨房が見える席に陣取って、料理が出てくるまで中の様子をしげしげと観察していたんですけど、私から見えた範囲では特に面白い横着なことはやっていなかったと思います。

「出過ぎである、自重せよ!」←何が。

1時45分に龍華古寺の前に着いて、くねくね曲がる蛇の玩具(10元)をお土産に買って中に入ります(入場料10元)。

確かに中にはしっかりした造りの塔やらお堂やらがあって、その中にきれいな仏像たちが収められていたので須賀、中にいたのはほとんどが観光客ではなく参拝客で、全体的に写真を撮りづら〜い空気が漂っていました。それでも四天王というかわいいヤツらがずでんと座っていた様は撮らせていただきましたがww




こいつらは四つの方角から来る敵から国を守る、ということでそれぞれ一つずつ方角が割り当てられている*3んで須賀、それぞれちゃんと顔の色が違うというのが「中華」の夷狄観を表している気もしますよね。え、孫権? このお寺となんか関係あったっけ??

地下鉄3号線の乗客たち

こうして龍華古寺をサクッと見終え、今度は魯迅公園及び魯迅紀念館へと向かいます。ここから魯迅公園までは、地下鉄*43号線にずっと乗っていれば着く(ただしそこそこ距離があるので5元)ラクチンな移動だったハズなので須賀、いやはやそうはいかなかったんですね(汗
まず電車内でこれまでに撮った写真を見ていたら、いきなり小さな男の子が空のペットボトルを突き出してきたんですね。かわいい子供のいたずらだと思ってとっさにピースサインをすると、彼は笑いながら他の車両へと移り、他の人にも似たようなちょっかいを掛けていました。Kくんに「お前みたいなヤツだなぁ」と言われながらまたしばらく乗っていると、少年が去っていった側の車両から、物乞いの親子連れがやってくるではありませんか。車両ごとに何人かの標的を定め、小さな男の子が土下座をしてお金を乞うています。まさかさっきのわんぱくな男の子と、今私の目の前で必死に物乞いをしている男の子が同じ子だとは、私からお金をもらうことを諦めて次へ向かおうとする彼の寂しげな横顔を見るまで信じられませんでした…
しばらくげんなりした気持ちで電車に揺られていると、向かいに一人の赤ちゃんを抱えた二人組の男が乗ってきました。彼らは周囲の乗客を威圧しながら広々と私たちの真向かいに座ると、いきなり連れの赤ん坊を叩いたりつねったりし始めたんですね(汗 しかも赤ちゃんはかなり嫌がっている*5のにやめる気配がない。これは一体どうなっているんだろうと思って周りを見回すも、他の乗客も関わりあいたくなさそうな顔でそっちから目を背けています。しかも彼らがしゃべっているのはどうやら中国語ではないようで、それが乗客のリアクションにもつながっているようなのです。
こういう場合は目を合わせないのが一番ですよね。相手の出方がさっぱりわからない上に、他の乗客と意思疎通をすることも出来ないわけですから…このときほど一挙手一投足に注意を払ったのは、この旅行の中ではなかったように思います。

魯迅公園と紀念館

こうしてちょっとヒヤヒヤしながらも無事虹口足球場駅で降り、3時半に魯迅公園に着きました。この公園自体は入場無料になっていて、最寄り駅の名前からもわかるとおりサッカー場の裏にある、市民の憩いの場になっています。

その中にある魯迅紀念館はとても清潔感のある建物で、涼しい中(←ここ重要)で快適に見学をすることができました(入場料8元)。また、魯迅が日本と深いつながりを持った文学者であったということからか、受付のおじさんや売店のおじさんが日本語を話すことができ、新日鉄で二年半働いたことがあると言っていた売店のおじさんは、これ以上まけられないと言いながら100元の三国志の人形焼*6を60元で勧めてくれましたが丁重にお断りしておきました。
展示のほうはテーマ別ということのようで、時系列で並んでいなかったせいか魯迅についてこれまで持っていた知識と照合するのにやや時間がかかりましたが、魯迅について知っていたこと、知らなかったこと、そしてやはりこの紀念館で強調されていたこと*7を整理して理解することができてよかったと思います。紀念館の見学後も公園を少し歩いて、5時に公園をあとにしました。

誘惑の多い上海の街角ww

こうして絶妙な(?)時間に昼間の観光を終えることができた私たちは、地下鉄(4元)で人民広場に戻り、そこから大通りを外灘方面に歩きながら夕食を食べる場所を探すことにしました。探しながらそこそこの距離を歩いていたんで須賀、やっぱりこういう大通りだと妙な誘いが多いですねw
「私たち日本語の勉強がしたいの」(女子大生くらいの女性二人組)
「エッチなマッサージあるよ、女の子やさしいよ」(いかにもな感じのあんちゃん)
「バッグあるよ、にせもの」(胡散臭いおじさん)
…これらの手ごわい(笑)誘惑になんとか耐え、6時半頃に適当なお店に入ることができました。

最後の晩餐、そして外灘の夜景

おじさん(37)と語る日中友好

入ったお店では店員の愛想があまりよくなくて、店内が混んでいたのかどうかよくわからないままに男性との相席になる席に案内されました。それでもここが中国最後の晩餐!ということでビールやら何やら*8を注文して待っていると、相席の男性がおもむろにこちらを向いて、何やら英語で話しかけてきました。
おじさん「君たちどこから来たの?」
私たち「日本です」
その返事に気をよくしたのかしなかったのか、彼は立て続けに様々な質問を浴びせてきます。
おじさん「君たちは第二次世界大戦についてどう思う? 日中関係については?」
まぁここはリベラル寄りの二人ですからねww 相手に媚びるような発言はありませんでしたが、こういう話題だと彼らにとっても耳障りのいい返事になるわけです。
Kくん「お互いが努力する(make effort)ことが大事ですよね。」
私「日中関係は東アジアで最も重要な関係(relationship)の一つになっていると思います。」
おじさん「???」
どうやら私たちの英語は彼にはあまり通じなかったようで、彼は割と怪訝な表情をしていることが多かったように思います。それでも、私たちが「same roots」であり「same character」*9を使っているということ、そしてまた彼が37歳であることは確認することができました。

相席のお姉さんのハニートラップ?

とかなんとか言ってるうちに私たちの料理も来たのでもそもそと食べ始め、そして彼は食べていたラーメンを食べ終えたようで満足げに去ってゆきました。そこで「あいつ英語わかってなかったけど最後にああいう話もできてよかったね」なんて言いながら二人でもそもそやっていると、またもや相席のお客様が。今度は20代くらいの女性お二人様でした。しかもなんと彼女らは日本語が話せるらしく、
お姉さん「日本の方ですか?」
私「はい、まあ」
みたいな話になったんですね。そしてこの頃になると食べるものもあらかた片付いてしまっていたので、彼女らにビールのつまみを一品選んでもらって*10それでビールをいただくことにしました。その間も彼女らとの間に他愛もない身の上話が続き、四人でその軟骨をかじっていたので須賀、そこで一つ秀逸なやり取りがあったのでご紹介しますねww
お姉さん「(前の話を受けて)へぇー。で、私たちも二人だけど、あなたたちも二人ね。」
Kくん「いや、そういうのはいいですから!」
私「プッww」
彼女らがどういう意図でそういったのかあまり理解できなかった私は「何言ってんだこいつら?」くらいにしか思っていなかったんで須賀、そういう意図だと即断したKくんはとっさにつぶしにかかったってことですねww 後に「まぁもうちょっと泳がせておいてもよかったんじゃないの?」と言うとKくんは一言、「ああいうことは早めにはっきりさせておいた方がいい」。
…とまぁせわしない最後の晩餐だったわけですけど、お会計のほうは95元と、まぁ上海価格だった気がしますね。

外灘の夜景を堪能

食事を終えて外に出てみると、すっかり日も暮れてあたりは真っ暗に。これならきれいな夜景を期待できるだろうとワクワクしながら外灘へと向かいました。ちなみに外灘といえば旧租界区のヨーロッパ風の建物が立ち並び、黄浦江を挟んだ浦東の超高層ビル群も臨める絶好の夜景スポット。これをこの旅行の最後に持ってこようという計画だったわけです。途中で地下通路を(無料*11のところだけ)通って黄浦公園に出ると、これはまたきれいな夜景が。右手にライトアップされた外灘のヨーロッパ風建築、左手に浦東のまさに発展する上海を感じさせる大ビル群の夜景をと、存分に楽しむことができました。


でもやっぱこれからの上海のランドマークは東方明珠塔*12なのかもしれませんね。あとここで電源を入れると光るツノ(5元)を一つずつ購入しました。

最後はもちろん乾杯!

それからしばらくは黄浦公園を歩く勢いそのままに、二人で「やっぱ最終日となると名残惜しいよね」とかそういう話をしながら2時間ばかり上海の街中を散策していました。そして宿近くのコンビニで20.7元分の酒とおつまみ、宿のフロントで4元分の水を買って最後の酒盛りをすることに。こうして朝の5時まで続く語らい*13が始まったのは夜の10時半頃なので須賀、フロントで水を買ったときに、初日にフロントで私たちの応対をしてくれたお姉さんが私たちに気づき、まるで「戻ってきたんだね」と言わんかのような表情で笑いかけてくれた、とKくんは言っています。私は見事にその感動的なシーンの一部始終を見逃していたわけです。まぁそれはともかく、そんな感じで朝の5時前までやっておりましたとさ。

*1:ほとんど全員じゃんw

*2:書いてある通り16元

*3:上から東西南北順です

*4:って言っても地下を走っていないが

*5:しかし泣いていない、というのがそれが日常茶飯事であることを感じさせます

*6:ホントの焼き物もこう呼んでいいのでしょうか?

*7:魯迅が晩年マルクス主義の立場を取ったことです

*8:正直に告白すると、ここで何を食べたのか記録に残っていないのですorz

*9:つまり漢字

*10:なんか鳥の軟骨を軽く酢漬けにしたようなものが出てきました

*11:有料トイレに1元とられましたがorz

*12:二枚目左下。ちなみにこれに登ると100元かかる上になぜか200元というデポジットがかかりますwww

*13:結局買った酒がまずくてほとんど手をつけられませんでしたorz