「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ (NHK出版新書)
- 作者: 天児慧
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/09/09
- メディア: 新書
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よく知られる「三つの代表」など、共産党がいわゆる資本家のような人たちを包摂する流れについて私が最初に知ったとき、「プロレタリアート独裁の『プロレタリアート』の部分を取ったらただの独裁じゃないか」と嗤ったのをよく憶えていま須賀、この本の著者はその過程を「共産主義イデオロギーを愛国主義に置き換える換骨奪胎」「溶けるように変化する『溶変』」などと、(無批判に、というわけではないで生姜)ある種の変化のエネルギーとして肯定的にも捉えているように感じられました。それが最後の「中国民主化」に向けた展望にもつながってくるので須賀、直前まで論じてきた「難しいかじ取りを迫られている習政権」的なトーンとかなり落差が大きくて、ここだけかなり唐突というか、突然夢を語り始めたような印象を受けてしまいました。
いずれにせよ、かなりの「ナマモノ」を扱った新書ですので、正月休みぐらいまでのうちに読むか、それとも読まないかという判断が妥当なのかなと思います。あと人物索引は必要な本だったと思います。