かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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1歳2カ月児と行く!バリ五日間の旅〜五日目・帰国

その後とあとがき

機中ではあまり眠れなかった様子の長男。空港に着いたころは機嫌よく起きていてくれたので須賀、そこからの移動中にギャンギャン泣き出してしまい、だましだまし、なんとか帰宅しました。もともと午後8時過ぎに寝て、午前6時半前後に起きるというかなり明確な生活のリズムを刻んできた人間にとってはそもそもかなりの夜更かしでしたし、国際空港の搭乗口や機内というのは大人であっても、質のいい睡眠をとれる場所ではありません。最終日まで、どうにかいつものリズムを守って楽しんで来られただけに、そこがこの旅行の最大の反省点だった*1と言ってよいと思います。
 
いつも通りながら、たらたらとここまで書き進めてきてしまいました。最後にまたいくつか、旅行記を締めるにあたって思うことなどを述べていきます。まぁ、まずは、あれですね、リゾート地の観光には独特の難しさがありますね。いっそ「そうです、私が変なおじさん日本人リゾート客です」と割り切って、別に相場がどうとか現地の市井ではこうとかいったことを気にせずに振舞うというやり方もあったので生姜、どうしてもその「足元を見られてる感」に対する苛立ちが拭えない旅でもありました。そりゃあ他の国に行ったって、「日本人なんだからケチケチするなよ」的な視線を感じることはありますけれども、やはりこういう場所ではそれもより露骨でしたね。それを最も感じたのが例のブサキ寺院であったわけです。
ただ逆を言えば、こちらが(日程的にも)半ばリゾートを楽しみに来ていたというのは間違いなくて、例えばヒンドゥー教についてはもう少し予備知識があれば現地で学べたことも多かったのかなという気がしました。
もう一つは、バリに来た時期について。


これらはクタとウブドで撮った写真(再掲)で須賀、ご覧の通り、街に飾られているのはインドネシアの国旗です。国旗はこうした繁華街のみならず、車窓から眺めた小さな村々でもはためいていました。これはもちろん、いつもこういう状態になっているわけではありませんで、私達がグラライ空港に降り立つ前の日、2015年8月17日が、インドネシア独立70周年の記念日であることを祝っているのです。インドネシアは1942年から日本の軍政下におかれ、日本(の利害)はその独立の経緯にも非常に大きく関わっています。「戦後70年」というと「これまでずっと謝ってきたんだから、戦後生まれのボクはもう謝りたくないもんね」談話が浮かぶわけで須賀、ここには密接に関連付けられながらも展開の異なる70年間があったのだと、当たり前のことを痛感させられました。
最後に長男よ、君はよく親のエゴについて来てくれました。私達も1歳2カ月の子供を連れ歩く苦労を感じながらの旅でしたが、一番大変だったのは彼だったと思います。確かに、夜遅くは歩き回れないとか長距離バスでの移動は無理だろうとかいった制約は生じました。しかし、長男と一緒だったからこそ、できたこともたくさんあったと思います。一緒でなければ、間違いなく2万円近く払って象に乗ろうとはしなかったでしょうし、リゾートホテルに泊まることもなかった*2でしょう。そもそも、私自身が「リゾート地である」と見なしてきたバリ島に来ることもなかったかもしれません。そうすると当然、荘厳なブサキ寺院の姿を拝むことも、世界一高価なウンコーヒーを味わうことも、道中でお世話になったいろんな人に出会うことも、そして、たまによく分からないシチュエーションで大喜びする長男の笑顔を眺めることもなかったわけです。
この旅行記の冒頭で「子供がいることによる」制約なんてことについて言及しましたが、こうやって振り返ってみると想像以上に「子供がいることによる」楽しみや喜びを感じることができたように思います。それを日々の生活でも捉え、感じていくことで、自分の日常をもより充実したものにしていきたい。今は一人で書き物をするゆとりがありますので(?)、そう考えています。
そろそろ終わりにしましょう。他愛もない家族旅行の開陳にここまでお付き合いいただいた方がいらっしゃったとすれば、本当にありがとうございました。嫌味ではありません(笑) どんな内容&質のものでも、書いたものが読んでもらえることは嬉しいものなのです。そして今回旅行のコーディネートに奔走してくれた細君、ありがとうございました。最後の最後はやはり長男でしょうか。ありがとう、あなたのために連れて行ってあげたなんて微塵も思ってないけど、ちょっとでも楽しんでくれたなら嬉しいです。
(2015年9月9日午後0時半、自宅書斎にて)

*1:と言っても搭乗便というのは容易に変えられるものではないんですけどね

*2:私自身、これまでに泊まった記憶がありません