かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『子どもへのまなざし』(佐々木正美)

子どもへのまなざし (福音館の単行本)

子どもへのまなざし (福音館の単行本)

乳幼児期を中心に、子どもの発達や子どもとの接し方について臨床的な知見を交えて説く本です。乳幼児期には子どもが望むことを望むようにしてあげることで、子どもは周囲の人間や自分自身への信頼を得ていくのであって、その過程を無視することはできない―。何でもかんでも言うことを聞いて、子どもを甘やかしてはいけないのではないかと考えがちで須賀、「(子どもなりに)頑張って求めても得られない」ことが自分自身への無力感や、周囲への不信感につながるという考え方は目から鱗でした。
大人が一方的に期待して、過剰に干渉することこそ慎むべきとされており、その点は肝に銘じなければと思いま須賀、生まれ来る子どもにどんどん関与してあげたい。出来れば何とかして育休を取りたい(笑)、と思わせてくれる一冊でした。
一方で、親子関係という人間同士の根源的な関係性の一つを論じる以上、仕方がないと言えばそうなのかもしれませんが、あんまり現代文明論みたいな話に踏み込んでも生姜ないようにも思えます。