かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『イグ・ノーベル賞』(マーク・エイブラハムズ)

イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!

イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!

「人を笑わせ、そして考えさせた」研究、「真似ができない/すべきでない」業績に対して与えられるイグ・ノーベル賞を受賞した研究(など)の数々を紹介する本です。「思春期における『鼻クソをほじる行動』の研究」、「ハトにピカソとモネの作品の識別を訓練した日本の研究チーム」、「水に記憶力があることの実証」、「ミハイル・ゴルバチョフが反キリストでない確率の算出」、「原爆投下50周年を核実験で記念したフランス大統領」、「強引な禁止実験―ツバを吐くことの禁止、チューインガムの製造・販売の禁止、ハトの餌付けの禁止」、「車輪の発明で特許のとれる国」、「アミューズメント・パーク『スターリン・ワールド』」…それこそ抱腹絶倒ものの受賞が並んでおり、個人的には公共空間で読むことはお勧めしません*1
この本には十分笑わせてもらったのでそれで十分と言えばそうなので須賀、せっかくなのでもう一つ。この賞のノーベル賞との大きな違いは「人を笑わせた」という部分にあるので須賀、どう笑わせたのか見ていくと、いくつかのパターンに分かれることがわかります。ざっくり言うと、(1)選んだテーマが笑える*2、(2)結論が笑える*3、(3)皮肉・風刺*4、(4)確信犯*5あたりかと思います。具体的には、前述した八つのうちそれぞれ二つずつが、大まかながら順番に該当するよう並べてみました。3と4はやや趣向が異なりま須賀、前二者にあるのは(程度の差などこそあれ)学問的な好奇心と方法論です。常識を疑い、タブーを恐れず、「くだらない」と決めつけない姿勢が、「人を笑わせ、そして考えさせ」る。その意味において、こうした研究こそが科学には欠かせないとも言えるのでしょう。あ、最後にサイトを載せておきますねww
Improbable Research

*1:何度か白眼視されました

*2:「なんでそんなことを?」というテーマを学術的に研究してしまった

*3:本人は大真面目でも、研究手法や結果があまりにも可笑しい

*4:政治家などへの皮肉での授賞

*5:確信犯的意図による行動への授賞