- 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ
- 発売日: 2008/06/04
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ここからはいくつかの側面から話を進めていきます。まず気になったのは、対決構図の中で善悪や強弱があまりにもわかりやすく出てしまう傾向があるということです。詳しいことには触れませんが、死なない奴は本当にどこまでも死にませんww
そしてそのことと多少関係があるのかもしれませんが、全体としてスペクタクルがかなり多いです。よく言えば毎回ハラハラさせてくれるので須賀、悪く言えばオーバー過ぎて感情的に入り込めない。物語の中で、一見簡単には実現しそうもないことがすぐ次の回で起こってしまったり、覆らないように見える前提が簡単にひっくり返ってしまう様を何度も見せられて、逆説的ながら、大スペクタクルなのに何だか味気ない、もうちょっともったいぶってくれてもよかったのに、という思いが後半になるにつれて募ってきました。特に最終盤なんかはかなりひどいですw
しかし一番興味深かったのは、ドラマと朝鮮半島などの歴史・朝鮮半島神話との直接的なつながりです。まず朝鮮半島神話の根っこにあると言っていい檀君神話がドラマの初回に、ドラマのキーワードたる「チュシン国・チュシンの王」と密接不可分なものとして紹介され、しかもその檀君の父たるファヌン(桓雄)役が主演のペ・ヨンジュンであることは、このドラマの大前提・世界観がそこに根差していることを強く示唆しています。言いかえれば、そもそも例えば今の日本でこれに比類するドラマが成り立つか、と問えば、私が何に興味をそそられたのかわかりやすいでしょうか。極めて乱暴に言ってしまうと、これは天照大神と日本武尊をキムタクが演じているようなものなわけで、そういった神話が現実政治において猛威をふるったことのある国でできる芸当ではないでしょう。まぁそうでなくても、扱っている内容がただの神話ではなく建国神話であることには、細心の注意を払うべきだと思いますけれども。
二つ目は、さっき「朝鮮半島など」と濁したところです。ドラマに出てくる「チュシン国」は倍達族の地、つまり朝鮮全土を意味するようなので須賀、この「チュシン国」にはどうやら契丹など北方系の諸部族が含まれているらしいのです。私はどこからどこまでが朝鮮史で、どこからどこまでが日本史だ、という類の議論に与するつもりは特にないので須賀、高句麗王が契丹の首長に「さあ弟よ!」と叫ぶ姿には、「契丹も朝鮮史だ!」という前提が隠れているような気がしてなりません。ちなみに、ドラマの主たる舞台の高句麗についてはここ数年、中韓間で中国史か朝鮮史かを巡っての対立が言われています。
三つ目は「百済海洋帝国説」です。最近一部学説で、百済は朝鮮半島以外にも進出した海洋帝国だった、というのがあるそうで須賀、このドラマでもその説が採用されています。中盤以降出てくる地図に「西百済」という地域名が出てくるので須賀、これは朝鮮半島から海を渡った山東半島周辺のことを指しているようなんですねww これが韓国内でどのくらい支持されている見解なのか非常に興味があります。
最後は趣向を変えて、出演者や演技についてです。見るにみなさん演技が非常に上手いという感想を持ったので須賀、やっぱりヨン様はさすがですね。ヨン様は、ロッテ免税店とかに貼ってあるポスター写真は気持ち悪い以外の何物でもないんで須賀、機敏に動いていると本当にサマになっています。あとイ・ジアも好演ですよね。スジニのキャラもかわいかったし。まじまぐろ、今までくどくど言ってきた中で一番伝えたいことは、パク・ウンビンちゃんかわいい。