- 作者: 水町勇一郎
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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この本はもちろん、法学の一分野としての労働法の教科書として、判例や学説を網羅した法律書であるわけで須賀、一方でそれだけでもなかったように思います。というのは著者はこの本の中で、労働法は日本の社会システムの中にどのように位置付けられてきたか、あるいはいくべきか、そもそも労働とは何か…といった、法学としての労働法と労働や経済、社会のあり方とをつないでいくような議論にかなり力点を置いていたのです。それは分量という意味でももちろんそうなんで須賀、法律論の中の各論を扱う際にも絶えずその視角を喚起しながら議論が展開されていたことからも言えるでしょう。またそれに伴って、「探求」という囲みを用いることで、読む側に自分自身で考えることを常に要求する形式になっていたのも印象的でしたね。とかいいつつ試験前に必死で読んでいたせいであんまり深く考えてなかったんで須賀orz
ですから法学としての労働法を学ぶというだけではなく、近年さまざまな問題点が指摘されている労働に関する問題全体に法学を通じて*1アプローチする、という読み方でも非常に勉強になる本だと思います。あと事例の固有名詞が面白いですよ、アンタッチャブルとか赤星とか金本とかwww
*1:あくまでもここは強調せねばならんでしょうねw