- 作者: 長沼範良,寺崎嘉博,田中開
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
教科書としては読みやすかったと思います。それは刑訴が手続法だからという側面ももちろんあるのでしょうが、初学者にも分かりやすいように平易に書こうというという著者側の努力も感じられました。ただやっぱり刑訴だけ勉強しても限界はありますよね。刑法自体もちゃんとやんなきゃwww
内容については、これはやや込み入った論点になるんですけど、公判時における裁判所の訴因変更命令って当事者主義との関係はどうなってるんですかね? この「当事者主義」というのは、公判における主役はあくまでも検察官と被告人側であり、裁判所がやたらにそれに介入すべきでないという刑事訴訟法上の原則で、一方の「裁判所の訴因変更命令」というのは、検察官がその主張の構成を変えれば*2有罪を言い渡せるのにそうしない場合、裁判所がその変更を命令できるって制度なんで須賀*3、刑訴における重要な原則である「当事者主義」の大きな例外である割に、この本の中では根拠が十分かつ具体的に示されていない気がしました。根拠について文中には、訴因変更がなされず無罪になるケースについて「このように不当に被告人を利する事態は、刑事司法を適切に行うという理念から外れることになる」(強調筆者)って書いてあるんで須賀、公判における当事者主義を採る以上、それがそもそも不当なのかどうかも疑問ではあります…
とここで法律論(?)をぶつのは初めてのような気がしま須賀、お詳しい皆さん、是非ご意見ください…