- 作者: 「世界の歴史」編集委員会
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 単行本
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日本史の方を読んだ時は「お話」としての歴史の読み方みたいな話をして、そうした理解を助けてくれる本だったと評したのを記憶していま須賀、世界史だとどうしても扱う分量が多くなってしまい、特に前半で固有名詞の羅列のような印象を受けました。もうちょっと話の流れを重視してくれればよかった気がします。
あと、ひとつ言葉遣いで気になった点がありました。本文中に、インカ帝国が鉄器の製造法は「知らなかった」が、いわゆるキープは「知っていた」というような記述があったので須賀、そこだけなんだか子供の通知表を読まされているような気分になってしまったのです。「○○を知っていた」の○○にはいろんなものを入れてみることができると思いま須賀、例えば「製紙法を知っていた」なんてのはこれらに近いのかもしれませんけれども、「猿の脳味噌の食べ方(あるいは食べること)を知っていた」とか(立場によっては)「捕鯨法を知っていた」とか、「『信長の野望 戦国群雄伝』の越中国では、攻め寄せる敵が騎馬隊だけならどんな大軍でも負けない方法があることを知っていた」というものではどうでしょうか。
要は、この言い方だとなんだか無邪気すぎるというか、鉄器の製造や数字という知見のおかげで形成された現代の社会や技術を前提とし過ぎてるんじゃないの?ということです。今ここにある到達すべき「解答」から見て、「この部分ではいい線行ってたけど、ここがダメだったね」と言っているかのように聞こえてしまう。瑣末な議論かもしれませんが、教科書(がベースの書物)だからこそ、そういう部分は細かくやらなければいけないと思うので須賀…