かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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北朝鮮報道について

訪朝の準備をしながらMステ→報ステを見ていました。ていうか人が行く日の前日に「北朝鮮覚せい剤蔓延」とかやるなって、別に萎えてないですけどwww
ただ、そのフリのトーク古舘伊知郎という人が、「ショッキングな映像ではあるんですけど北朝鮮の真実をお見せするために流すことにしました」という趣旨の発言をしたんですね。それが気になったので一言。
まぁ恐らくその映像*1は事実として存在するのでしょう。そして彼の言う、「北朝鮮の真実」の一断片なのでしょう。しかし裏を返せば、それはあくまでも「北朝鮮の真実」の一断片でしかないのです。明日から私が見てくるもの(恐らく極度にイデオロギー的で、プロパガンダの意図に満ち満ちとしているのでしょう)も、ある意味で「北朝鮮の真実」の一断片たりえるのです。そこに真実としての優劣はありません。
飢餓や荒廃、そして狂気とも思える金親子の神格化… そういった偏ったイメージによってしか北朝鮮を語らない傾向のあるマスメディアへの不信感が、私が北朝鮮に行こうと思った理由の一つです。ちなみにこれは私だけではないでしょう。20万近い大金を積んで実際に出かけていくようなバカはしないが、ワイドショーを中心とする一連の北朝鮮特集に胡散臭さを感じている人は多いように思えます。このように一面的で、彼らが求める「北朝鮮の真実」からはかえって遠ざかってしまうような報道は、「客」の耳目を集めて利益を得ようという、産業としてのマスメディアの売らんかな主義と言われても仕方がないような気がします。

*1:現地の人が覚せい剤を吸引して朝鮮語で「おいしい〜」っていうやつです。ちなみに「おいしい〜」くらいは字幕なしでわかりますのでw