かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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ロンドン同時多発テロ

一番初めに表明すべきことは犠牲になり、被害にあった人への遺憾の意とテロに対する非難だと思います。
今回のテロが同時多発的なものだったということを考えると、犯行は計画的だったと思われます。となると、2012年オリンピックのロンドン開催決定というよりはサミットを標的にしたテロだ、と見るのが妥当でしょう(ロンドンの警備も手薄だったと聞きます)。そして犯人は、もちろん現段階では分かりませんが、犯行声明らしきものがあることもあってかアルカイダ系の組織が挙げられていますね。もしそうであっても(そうでなくてもアルカイダ系が怪しいという報道によって)イギリスやその他の国でイスラム系の人々が差別的な取り扱いを受けないことを願います。あとブレア首相を初め各国首脳には、これは犯罪であってまかり間違っても戦争ではないということをしっかり認識して対応していただきたい。
今の段階で言えることはあまり多くないんで須賀、報道ステーションの最後に森本敏さんが「テロは文明に対する挑戦(「攻撃」だったかも)だ」*1みたいなことを言ったのが引っかかったのでそれについては言わせてください。まずこの言葉は文明に対する何による挑戦or攻撃かについて触れていませんが、そこに触れなかった上で「文明に対する」と言ったことを考えると、彼がその挑戦or攻撃を非文明とみなしたことはおそらく間違いありません。であるとするとテロはどの意味において非文明なのでしょうか?
まず911テロや今回のテロを見ても分かるように、全てのテロが技術的程度の低い攻撃であるとは言えませんのでこの線は消えます。そしてテロリストが文明人と言えるだけの知識や教養を持っていないという意味ではまさかないでしょう。となると今回のような、テロの無実の人々を殺傷する卑劣な暴力性を指しているのでしょうか? 私は恐らくそうなのだろうと思うわけで須賀、もしそうだとすればこの言葉は重大な欺瞞を孕んでいると言わざるを得ません。なぜなら今回のテロの標的となったイギリスは、イラクでの大義なき戦争において多数の無辜の市民を殺害しているからです。片方の無実な市民への攻撃が「非文明」とみなされ、もう片方は「文明」である。それはごまかしだと思います。
皆さん気付かれたと思いま須賀、ちなみにこの文章は「テロは文明に対する挑戦だ」という一般的な命題への反証にはなってないですよね。ただこのテロについてそう言うのはごまかしだ、というのは言えていると思います(注の2参照)。まぁ一般化が不可能だとは思わないのでそれについてはもっと勉強してからここに書きたいと思います。

*1:この言葉がテロ一般に関する言及なのか、それとも「テロは」というかわりに「これ(ロンドン同時多発テロ)は」と言ったのかはちょっと憶えていませんが、いずれにせよロンドン同時多発テロが「文明に対する〜」に含まれることは確実でしょう