かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

最近これはと思うニュースを見聞きしてもなかなか書く機会がなくて、たまに書けたとしてもこんなに遅くになってしまうわけです。

マケイン氏、得意の安保で失態=アルカイダシーア派取り違え−米大統領
【ワシントン20日時事】米大統領選の共和党候補指名が確定しているマケイン上院議員が中東歴訪中、イラク情勢に関し、国際テロ組織アルカイダイスラムシーア派武装勢力とを取り違えて発言していたことが波紋を呼んでいる。安全保障問題に強いことを売り物にしてきた同氏だが、得意分野で失態を演じ、民主党側から早速批判の声が上がった。
マケイン氏は18日に訪問先のヨルダンで行った記者会見で、「イラクで活動するアルカイダが隣国イランの支援を受けている」と発言。しかし、シーア派が実権を握るイランが支援しているのは、アルカイダと敵対するシーア派武装勢力というのが米軍・情報当局の通説で、マケイン氏は同行の米議員の指摘を受け、「言い間違いだった」と釈明した。(3月20日時事通信)

これについてマケイン氏は「単なる言い間違いだ、オバマだってこの前『カナダの大統領*1に会いたい』って言ってたぜ」と弁解したんだそうで須賀、それとこれとは比較できませんよね。それは記事にあるように、マケイン氏のウリが外交安保にあるから、ではなく、イラク戦争開戦の理由の一つとしてブッシュ政権が喧伝したのが、アルカイダフセイン政権の「関係」だったからです。これはスンニ派の中でも極めて原理主義的なアルカイダと、世俗的なイラクバース党(フセイン政権の与党)の対立を捨象して、「自由と正義の国・アメリカ」と「イスラムのならず者・テロリスト連中」という二元論的な構図に落とし込む「わかりやすい」誤謬だったわけで須賀、それを知ってか知らずか、今回のマケイン発言はそれとまったく同じ構図になっています。とりあえず悪の枢軸・イランとビンラディンアルカイダは結託してるんじゃないの?という発想は確かにわかりやすいんで須賀、それは前に紹介した「チーム★アメリカ」と大差ない世界観とも言えるわけです。
マケイン氏の発言がどのレベルの「言い間違い」なのかははっきりしませんが、いずれにしても空恐ろしいものを感じざるを得ませんでした。

*1:カナダに大統領はいませんもんねw