英単語の語源を紹介しながら、語彙を増やすことを目指す本です。
例えば「attraction」という一つの単語は、「at」(〜の方へ、を意味する接頭辞)「tract」(引く、を意味する語根)「ion」(名詞化する接尾辞)に分けられ、合わせて「引きつけるもの」即ち「魅力」という意味になる、と説明します。このように各要素の語源を理解していれば、未知の単語に遭遇した時にも、その大まかな意味を想像することができるようになります。その効果による語彙力アップを謳っています。
漢字でも似たような類推が可能なことは知られていま須賀、語源を知って目から鱗、というような単語もあり、とても興味深かったです。
ただ意味を予想するための方便として紹介するのではなく、ギリシャ語やラテン語の由来にも触れており、納得感もありました。一方で、同じ意味の要素同士が組み合わさっていながら、全然意味・用法が違うというケースも多くあり(それは手法というより本の紙幅の問題と思われます)、これが「語彙力アップ」にどこまで直結するのか、ちょっと未知数な気もしました。
話は逸れま須賀、韓国・朝鮮語には漢語由来の語彙が多くあり、元の漢字とハングルのスペルの対応関係が分かれば、新聞記事などは(漢語が多いので)かなり読みやすくなります。音に影響するとされる「つくり」が同じ漢字同士では、同じ綴りになるケースも多いようです(体感)。
そうした知識は、もちろん目の前にある外国語の意味をよりよく・効率的に理解するために役立つものではあるので須賀、それよりも何よりも、楽しく学ぶための非常に大きな助けになるのではないかと感じています。この本に出ている語源を暗記するというよりは、読んで楽しんで、次は他の単語で試してみるためのモチベーションにするのが一番良いような気がしています。