かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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金正日総書記死去について3つだけ

今日の午後以降、多くの方から励ましやからかいの電話やメールなどをいただき、本一冊分しゃべれと言ってくれる友人もいたので須賀、酒を飲んでしまったのでとりあえず3つだけ。

  • 人が死んで喜ばしいことはない

これはリアリズム的というより規範的意味から捉えてみたいです。いつもと言っていることが違いますかね?(笑)

  • 現体制動揺の懸念

これは一例でしかありませんが、この秋に、脱北を試みる者への射殺命令が出たとの報道もありました。90年代以降の経済的困窮を経て、共産主義としては明らかに失敗したと思しき政治体制が少なくともこの日まで持続しているのは、この例で言えば、逆に脱北を試みて失敗しても即座に死刑にはならないらしいというほどの体制の「柔らかさ」*1ゆえであろうと私は理解してきましたし、ここでも述べてきました。例えば風船を思い浮かべていただけるならば、上から押さえ込む*2ものの横には多少膨らませられた風船を、横から締め付けた直後に上の重しを取ってしまったとするならば、風船はどんな形になるか、あるいは万一破裂する時にどちらに弾けるかはなんとなく想像がついてしまうような気がします。

統一ドイツの苦労を見れば、現状で当時の両ドイツより国際的に経済的地位の低い*3南北朝鮮において、いきなり片方が崩壊して吸収されましたなんて展開が何を引き起こすのか、不安になります。そして日本は、日本海を隔てて南北朝鮮両国と隣り合わせに接しています。

*1:もちろんこの用語は北朝鮮の政治体制を肯定的に評価するものではありません

*2:中学の頃の日本史の先生が鳥羽上皇を煮立った鍋の蓋に例えていたのを思い出します

*3:西ドイツはアメリカと日本に次ぐ経済大国でした