かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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こういう本を読むと原典にもっと触れたいと思う

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

ソシュールロラン・バルトフーコーレヴィ・ストロースラカン、サイードという6人の「現代思想」を分かりやすく解説し、それを使って他の文学作品や映画を読み解いてみせる、という本です。当然ミソは後者で、「この人の言ってることを応用してみると、この話はこういう理解ができますよね」と言われると非常に興味深く、自分も何かやってみたくなります*1し、立ち返って「悲劇的にまで難解な思想」そのものを理解していくための重要な補助線にもなっています。また、ソシュールのところで指摘があった「対象となるもの(たとえば言語)をとらえるにあたって、実体の概念から関係の概念へと視点を移し換える」という考え方が、この6人の思想に通底するものとしてあるということも、遅まきながら面白かったです。
個別的に言えば、バルトについて読んだのは初めてで、「空気詠めとか言ってんじゃねえ!」的な思想は気に入りました(笑)が、『零度のエクリチュール』は又聞きするにちょっと都合のいい話のような気がしました。あと、バルトの実践編で出てくる映画『エイリアン』については、筋書きレベルでの議論を中心に置くのなら、「作者の死」と言ったバルトに関連付けて置くべきだったのかどうかやや疑問ではあります。映画一般を「作者の死」で理解できるよね、というのはよくわかるんで須賀。
今度是非フーコーの原典*2に挑戦してみたいです。サイードについては、『オリエンタリズム』は大半が議論の例証などで、序説を読めばサイードが何を言いたいかは分かるよね、と言ってもらえてとても安心しましたwww (読んだ(?)時のレビュー)
これはいい本だと思います。

*1:昔からよくここで書いてる旅行記とか、居酒屋談義の演説でやって失敗してたんですけどねwww

*2:まぁ日本語でw