- 作者: 木宮正史
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/08
- メディア: 新書
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一方で、日韓比較においては、19世紀の近代化で日韓の明暗を分けたのは朝鮮王朝の「強さ」と徳川幕府の「弱さ」だ、という見解はやや抽象的に過ぎるかなという気がしましたし、現代の政治的関心の程度の差について「政治実績」と「政治への期待水準」の開きから分析する*1というやり方も、それぞれが各国民・集団などにとってかなり多様なものであるということを考えると、やや雑な議論という印象は受けました。
そして、最後に著者が述べている「日韓関係と言えば、二国間の歴史問題ばかりが取り上げられ、それが解決されないと先に進めないというのでは、余りに不幸であるし、非生産的である」というのは、確かに現状の分析としては間違っていないと思いますし、そこが切り離されれば日韓関係はよりよくなり、協調が深まるとも思うので須賀、「だからそこを切り離そう」というのであればやや「合理的」な日本の立場かな、という気がしてしまいます。例えばいわゆる「竹島問題」について、著者は「竹島問題は歴史問題ではなく、領土問題だ」と言っていました*2が、確かに毒茸島の帰属に関する問題は当然領土問題なのでありま須賀、私たちが「竹島問題」と言うとき、それは単なるちっぽけな島の領土問題だけのことを指しているのではないはずです。韓国が「独島問題は日本の韓国侵略の象徴」とみなし反発し、それに伴って日本国内でも韓国世論に対する反感が高まり…この連鎖的状況がこの問題を厄介にしているのです。確かにこの問題が「解決されないと先に進めないというのでは、余りに不幸であるし、非生産的である」ことには同意しま須賀、じゃあ切り離して考えてよ、領土問題は領土問題でしかないよ、で済まされない何かが韓国世論にあり、そこにこそ日韓関係の難しさがある、ということは感じましたけどね。その辺を直に感じてくる旅ができればと思っています。…いいようにつながりましたねw
内容とは関係ないので須賀、最後に一言だけ言わせてください。
m9キミャー